デイヴ・バウティスタ×ジェイソン・モモアの2大スター共演 『レッキング・クルー』の革新性

デイヴ・バウティスタ、ジェイソン・モモアという2大人気スターがダブル主演する映画『レッキング・クルー』が、Prime Videoからリリースされた。その題名となった「レッキング・クルー」とは、“解体作業員”を意味する言葉だ。大柄な2人の男が、ハワイを舞台に悪を“解体”するアクション映画である。
TVゲームのファンのなかには、任天堂から1980年代にリリースされた、いまではレトロゲームとなった『レッキングクルー』をイメージする人もいるかもしれない。その内容は、マリオとルイージが解体屋となってビルの壁を壊していくというもの。もちろん、今回の映画『レッキング・クルー』は、このゲームを原作とした映画というわけではない。しかし、“兄弟”コンビが活躍するという点が一致しているのは面白い点だ。
本作『レッキング・クルー』では、バウティスタとモモアの大柄コンビが刃物を持って襲いかかるヤクザたちにパワー系の攻撃を繰り出すところが最大の魅力。こういった趣向は、“いかにも大味なアメリカのアクション映画”という、ステレオタイプな雰囲気を自ら纏っている。その陽気さ、ある意味での牧歌的な世界観には懐かしさすら覚えさせるところだ。
とはいえ、こういったありふれて見える映画に厳しい目線を送りがちなアメリカ本国の批評家の間で、本作は意外なほど支持されている。ここでは、アクション映画ファンのみならず、そんな意外な評価も得た本作の画期的といえる部分に目を向けてみたい。
主人公は、異母兄弟のジェームズ(デイヴ・バウティスタ)とジョニー(ジェイソン・モモア)。長い間2人は疎遠となっていたが、父が事故死したことで再会する。しかし、父の死亡状況には不可解な点があり、ジェームズとジョニーはそれぞれにハワイで調査を開始する。その裏には、日本のヤクザを擁する犯罪グループの存在と、ハワイを巻き込んだ陰謀が隠されていた。
ジェイソン・モモア演じるジョニーは、アメリカ先住民特別居留地の刑事。交際していた女性に振られたことで生活が荒れている。そんな失意のなかにいる彼が、父の葬儀のため故郷のハワイに到着し、物語が大きく動き出していく。ジョニーの豪快なキャラクターは、彼をトップスターへと押し上げた『アクアマン』(2018年)の雰囲気に近いが、人生に迷って情けない表情を見せるような、より人間的で親しみやすい面もある。
その破天荒さとは対照的に、アメリカ海軍特殊部隊で指導的立場にあるジェームズは、厳しく規律を守る性格で、妻や子どもたちとハワイで家庭を築いているという設定。この2人が互いに過去の確執を乗り越え、一緒にハワイにはびこる陰謀に立ち向かう姿が頼もしい。近年では、ドウェイン・ジョンソンとジェイソン・ステイサムのタッグが活躍した『ワイルド・スピード/スーパーコンボ』(2019年)を思い出すように、筋肉が“ものを言う”価値観がみなぎっている。
また、キレのあるエクストリームなアクションも見どころだ。ジョニーがヤクザを撃退する場面では、エア・サプライの1983年のヒット曲「渚の誓い」(Making Love Out Of Nothing At All)を聴いて感傷的になりながら、敵を残酷に打ち倒していく。“チーズおろし器”を使って腕の皮を削いだり、テーブルを噛ませて上から頭を殴打することで歯を破壊するなど、恐ろしい暴力を情熱的なバラードとともに映し出している。
























