松坂桃李が明かす、人や物事との向き合い方 「信じる気持ちと、聞く力が大事」

松坂桃李が日々考える、1番のベスト

 「微笑む人」と聞いて、ぴったりと顔が浮かぶ、松坂桃李。しかし、テレビ朝日のゴールデン帯ドラマで松坂が主演を務めるドラマスペシャルのタイトル『微笑む人』とは、「本の置き場所が欲しかった」という理由だけで妻子を殺害したと供述するエリート銀行員・仁藤俊美のこと。“微笑み”のイメージが濃い仁藤の柔らかな印象からは、誰もが「そんな理由で」「本当に仁藤さんが殺したとは思えない」という声が上がる。

 貫井徳郎の同名小説を映像化する本作では、オリジナルキャラクターとして登場する女性記者・鴨井晶(尾野真千子)が、事件を追ううちに彼の過去に隠された事実が次々と明らかになっていく。

 リアルサウンド映画部では、仁藤役の松坂桃李にインタビュー。彼自身の知られざる裏側、そして人に対しての向き合い方に迫った。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「僕たちが決めつけるのは簡単」


ーー仁藤は登場人物たちにとっても見ている側としても、理解し難いキャラクターでした。役作りの上で松坂さん自身は仁藤をどう理解していきましたか?

松坂桃李(以下、松坂):仁藤の発する言葉通りの人物だと思うようにしました。好印象だからこそ、人を殺した時に他人から見たら「そんなわけない、絶対何か理由がある」と考えてしまうけど、彼には裏があるわけではなくて、微笑む顔も殺害してしまう顔も全てが表なんだよなと。ニュースを見ていても理解し難い事件もあったりしますが、そんなことをするなんて信じられないと僕たちが決めつけるのは簡単だけど、この役を演じてみて、その人は本当にそう思ってるだけなんだなと考えられるようなりました。

ーー仁藤をそのように理解するのは難しくなかったですか?

松坂:自分の中での“普通”と相手の思う“普通”は違うと思うので、そのズレが大きかっただけなのかなと思うんです。自分の価値観とかものさしは人と違うなというのも改めて感じましたね。分からなかったり、不安を抱えるものに対してだと、どうしても気持ちの良い部分に落とし所を持っていきたくもなるしなと。

ーー犯罪者のキャラクターって、不気味な笑みを浮かべてる役が多いなと思うのですが、仁藤もずっと微笑んでいますよね。

松坂:彼が浮かべる笑みは、彼の中での面白いポイントがあったときや、余裕からくるものである気がします。彼好みのシチュエーションだったり、好きなものに出会ったり、普通に微笑む人となんら変わりないくらいで。おそらく、仁藤の範囲内での笑みをやればやるほど、シチュエーションによってはその笑みは怖く映ったりするのかなと思います。

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