松岡茉優が明かす、『デジモン』への思い入れと声を演じるときの覚悟 「毎回勝負の気持ちです」

松岡茉優が明かす、声を演じるときの覚悟

「山寺宏一さんをお父さんのように慕っている」

ーーそんな松岡さんにとっても大きな作品に今回参加されるということで、プレッシャーもあったのではないでしょうか?

松岡:声のお仕事は、普段の俳優のお仕事と全然違います。専門職の方がいるので、生半可な気持ちで手を出してはいけないと思うし、加えて今回は大好きなアニメということもあり、邪魔したくないし、普通に観たいという気持ちがありました。でも、オファーをいただく前から企画に何年もの時間をかけ、役ができあがって、この役を私にと思ってもらったのは、普段やらせていただく実写の作品と全く同じ工程じゃないですか。だから、それを考えたら断る理由がないと思ってお引き受けしました。でも、専門の方がいらっしゃるので、覚悟を持って、緊張感を持って挑みました。がむしゃらに、一つひとつ大切にやらせてもらっているつもりです。

ーー悩みに悩んで決断されたんですね。松岡さんはこれまでもいろんな作品で声のお芝居をされています。『バースデー・ワンダーランド』や『映画 聲の形』など、少年少女の役の印象がありますが、今回のメノアは、太一たちより少し大人なキャラクターですね。

松岡:声のお仕事だと、『ポケモン・ザ・ムービーXY&Z ボルケニオンと機巧のマギアナ』でやらせていただいた役が、人間の女性でした。そのあと、『カーズ/クロスロード』の女の子は車だったので、今回大人の女性の役をいただけて嬉しかったです。実写ではやれない役をいただけるのが、声のお仕事の魅力ですよね。『聲の形』では小学生の男の子だったし、『カーズ』では車だったし、今回も外国人の役だし、チャレンジさせてもらえるのはすごく楽しいです。

ーー実写では松岡さんがやられないような役を演じることに対して、アプローチや考え方、意識の違いはありますか?

松岡:私は昔『おはスタ』(テレビ東京系)に出演していて、その頃から山寺宏一さんをお父さんのように慕っているので、声のお仕事がいただけると相談するんです。『バースデー・ワンダーランド』は小学校6年生の女の子の役だったので、不躾な質問ですが「声ってどう幼くしたらいいんですか?」と聞いたら、「僕は茉優と中2のときに出会ってるけど、声ってそんなに変わってないと思うよ。それよりも 、あのとき、どう感じたのかとか、あのときの自分だったらどう思うのかなというアプローチを掘り下げていったらいいと思う」とアドバイスをくださいました。本当に、山寺様様です(笑)。

ーーメノアは外国人ということで、英語と織り交ぜて喋るところはどうでした?

松岡:アフレコの時に、ずっと隣に英語の先生がいてくれて、粘り強く教えてくれました(笑)。英語パートは、最後にまとめて収録したんです。だから、最後の50分ぐらいは地獄でした。

ーー英語しか喋らない時間というのは大変ですね。

松岡:自分の舌を恨みました(笑)。なぜ私は外国語の舌をしていないんだろうと。先生もかなりしっかり教えてくださったので、本当にもう叫び出しそうでした(笑)。

ーーメノアの幼少期の回想シーンもありました。そこでも、『バースデー・ワンダーランド』のように自分の気持ちを優先して?

松岡:それが、今回は9歳位の設定だったので、さすがに少し張り切りました。やっぱり『バースデー・ワンダーランド』と全然タイプの違う作品だし、それは普段やっている仕事と変わらなくて。最近やった『ひとよ』と『蜜蜂と遠雷』も全然違う作品なので、作品から得たものはあるけど、それが次に通用するとは限らないなと思っています。だから、毎回勝負の気持ちです。

ーーまっさらな気持ちで新しい役に挑むんですね。

松岡:そうです。あと、「見守っていてください」と山寺さんに十字架を切りました(笑)。

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