喜美子にとって初めての「大恋愛」 『スカーレット』結婚に向けての道のり

『スカーレット』で展開する「大恋愛」

 常治(北村一輝)から喜美子(戸田恵梨香)との結婚の許可をもらうために連日、川原家を訪れる八郎(松下洸平)。取り合ってもらえない日が続いても、八郎は根気よく常治の元を訪れた。連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)第63話では、結婚に向けて奔走する二人の姿が描かれる。

 八郎は結婚の許しを得るために、川原家に通う。常治はあの手この手で、愛娘が嫁にいってしまうのを阻止しようとしていた。話を聞かないだけでなく、家に入れようともしない日もあった。しかし八郎はめげない。常治が原因で結婚が破談にならないようにと、百合子(福田麻由子)と母・マツ(富田靖子)もなんとかしてあげたいと焦り始める。だが、喜美子にとってはどこ吹く風。八郎はめげないと力強く答えるのであった。喜美子と八郎のあいだには、強い信頼がある。喜美子は、八郎がこれくらいでは諦めないとわかっているし、八郎もそんな喜美子を裏切るような人ではないのだ。

 なかなか結婚の許可はもらえないが、二人の関係は良好だった。そんな中、八郎は、陶芸の練習の時に喜美子にある提案をする。今度から授業料を取るというのだ。その裏には、喜美子が周囲に気を使わず、伸び伸びと陶芸に打ち込んで欲しいという思いがある。八郎は、授業料としてビンにお金を入れるように喜美子に促す。そして、そのビンに貯まったお金は結婚したら二人のお金だと説明した。そのお金で、喜美子が陶芸に使う道具を買うといってくれた。初めはお金を払うことを渋っていた喜美子だが、その提案を聞いて感激する。八郎言うところの“夫婦貯金”に意欲を見せた。

 そんな二人の元に、照子(大島優子)が訪れる。照子は八郎に「軽くしてあげてな、自由にしてあげてな」と喜美子が今まで川原家を一身に背負ってきたことを伝え、八郎が一緒に背負ってやるのだとお願いする。喜美子の親友から、未来の喜美子の夫への熱いメッセージであった。

 喜美子と八郎にはまだまだ乗り越えなければいけないことがある。しかし二人は着実に心の距離を縮め、結婚に向けて歩みだしていた。喜美子にとって初めての大恋愛、恋も仕事も陶芸にも、全力で取り組むことだろう。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『スカーレット』
NHK総合にて、2019年9月30日(月)〜2020年3月放送予定
出演:戸田恵梨香、北村一輝、溝端淳平、水野美紀、羽野晶紀、三林京子、オール阪神ほか
脚本:水橋文美江
制作統括:内田ゆき
プロデューサー:長谷知記
演出:中島由貴、佐藤譲
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/scarlet/

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