細かいことは気にするな! アクションスターたちを対決させた『トリプル・スレット』の意義

『トリプル・スレット』の強いメッセージ性

 「主演級のアクションスターたちを集め、それぞれのスタイルで戦わせる」。これが本作のコンセプトだ。断っておくが、本作は決して整った作品ではない。メチャクチャな話だし、妙に残虐描写に気合いが入っていたり、観ていて予算があるのかないのか分からなくなることも。しかし全体の整合性を破棄してでも、コンセプトだけはしっかり守っている。その姿勢は評価したい。

 本作を総括するなら、『ランボー/怒りの脱出』(1985年)の後に世界各国で量産された大らかなコマンド・アクションに、最前線で活躍するアクションスターを起用した、と言ったところだろうか。新しい映画なのに、どこか懐かしい。味わい深い1本だ。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『トリプル・スレット』
9月6日(金)シネマート新宿、シネマート心斎橋ほかにて公開
出演:トニー・ジャー、イコ・ウワイス、タイガー・チェン、セリーナ・ジェイド、スコット・アドキンス、マイケル・ビスピン、マイケル・ジェイ・ホワイト、ジージャー・ヤーニン
監督:ジェシー・V・ジョンソン
脚本:ジョーイ・オブライアン
配給:クロックワークス
2019年/タイ・中国・アメリカ/英語・中国語ほか/シネマスコープ/96分/原題:Triple Threat/字幕翻訳:大嶋えいじ
(c)2018 TRIPLE THREAT HOLDINGS PTY LTD ALL RIGHTS RESERVED
公式サイト:http://klockworx-v.com/triplethreat/

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