『ルパンの娘』のラブストーリーとしての巧妙さ 2人の“ズレ”が後半戦盛り上がりの起爆剤に!?

『ルパンの娘』のラブストーリーとしての巧妙さ 2人の“ズレ”が後半戦盛り上がりの起爆剤に!?

 主人公を演じる深キョンのボディコンシャスな衣装と、いきなり歌って踊り出すミュージカル要素でも話題になっている『ルパンの娘』(フジテレビ系)。

 この作品が視聴者を魅了するのには2つの理由が挙げられるだろう。

 1つ目がまさに“現代版ロミオとジュリエット”とも言える「立場や境遇が正反対の者同士の交わり」。物語をよりおもしろく盛り上げ、共感を呼ぶための設定として鉄板ではあるが、その大枠に則りながらもこの作品が型にはまっているようではまっていないのは、「片方がその違いを本当の意味では理解していない」状況で物語前半が進んだところにあるだろう。

 桜庭和馬(瀬戸康史)は、両親から恋人・三雲華(深田恭子)との結婚を反対されているものの、当初あくまでそれは「華の一族が警察関係者ではないから」という理由だった。実際は、華は憎むべき泥棒一族の娘な訳だが、そうとは知らずに、男性側は真実よりも随分ライトな「警察関係者かどうか」という違いに苦悩し、全てを知っている女性側が自分の身の振り方についてさらに深く葛藤するという構図をとっていた。

 和馬は表層的な問題に対峙し「それでも一緒に乗り越えよう」と意気込み、健気で一生懸命だ。華にとってそれが嬉しくもあるが、ただ問題はもっと根深い「そもそも」の相容れない部分にあり、彼の努力は全くの見当違いでその努力も虚しく終わるということまでわかっていた。それでも、「自分のため」「2人のこれからのため」に試練に立ち向かってくれていることには変わりなく、その必死さに華は揺れ動く。

 一般的によく「女性は婚約後マリッジブルーに陥り、男性は婚約をするまでの間にマリッジブルーになる」と言われているが、本作でもその男女差が如実に現れていた。華の正体がわかった後、やはり結ばれない運命だと嘆いていた和馬だが、それでも自分が選んだ相手だと腹を括った瞬間、彼の中での「守るべきもの」「信じるもの」が一気に明確になり、迷いが振り払われたのが見て取れた。これまでは上司の操作命令や両親の何気ない一言を気にかけて「警察一族に生まれた自分」、「警官としての自分」などそれぞれの「自身の顔」と矛盾を抱えていた和馬が、それらの顔を全て統合させて「運命共同体の華を守る」ことに突き進んでいく。

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