『五億円のじんせい』望月歩が語る、初主演作で得た自信 「自分の心に残り続けるひと夏の時間」

望月歩が語る、初主演作で学んだもの

 GYAO とアミューズがオーディションによりオリジナル映画を作るプロジェクト「NEW CINEMA PROJECT」から誕生した映画『五億円のじんせい』が、現在公開中だ。

 本作の主人公は、難病を患いながらも、善意で集まった募金“五億円”によって命を救われた少年・望来(みらい)。17歳となった望来が、生きることとは何か、命の価値と何かを見つめ直し、さまざまな人との出会いの中で成長していく。

 リアルサウンド映画部では、本作で映画初主演を務めた望月歩にインタビュー。映画『ソロモンの偽証』で鮮烈な役者デビューを果たし、映画・ドラマに活躍を続ける望月は、役者という仕事にどう向き合っているのか。初主演作への意気込み、「沢山のものを学んだ」という撮影の裏側までじっくりと語ってもらった。【インタビューの最後にチェキプレゼントあり】

「僕にとっての“青春”でした」

ーー望月さんが演じる主人公・望来は、物心ついたときからテレビで注目され、“五億円”を背負ってきた少年です。望来はどんなキャラクターでしたか。

望月歩(以下、望月):幼少期から背負っているものはすごく重いものなのですが、心の中は普通の男の子。周囲から“見られている”存在という点では、僕自身が役者として感じているものとも重なる部分があり、今まで演じたどの役よりも共感できる部分が多かったです。

ーー名前も少し似ていますよね。

望月:実は少しでも共感できる部分が多いようにと、文晟豪監督と脚本の蛭田さんが僕の字を入れてくださったみたいで。なかなかそんなことはないと思うので、すごい嬉しかったです。

ーー望来は周りの期待というプレッシャーに押しつぶされそうになりますが、望月さん自身にもその経験が?

望月:周囲から役者としてどう見てもらっているかというプレッシャーは感じたことはありません。ただ、大学生となっていく同級生たちが多い中、進学をせずに役者を選んだというプレッシャーはあります。でも、覚悟を決めて選んだことなので後悔はまったくないですね。SNSなどを通して、出演作をどんなふうに見ていただいてるのか調べることもあるのですが、極端に言えば「悪口」でも嬉しいんです。

ーー「悪口」も観てくれたからこそだと。

望月:そうですね。もちろん、ポジティブな感想があればすごく嬉しいですし、もっと頑張ろうと思います。でも、悪口を言ってもらえるのも、観るという選択をしてくれたからこそなので。

ーー望来はそういった外の声から解き放たれて初めて自分を見つけていくわけですが、望月さん自身、作品を通して変化はありましたか。

望月:役柄を通して、「人生観」が大幅に変わったというところはありません。それよりも、初めて主演をやらせてもらって、いろんな準備をして、一対一でいろんな役者さん、スタッフさんと相対したこと、それは本当に貴重な経験でした。同じ役でというのが本当に大きかったです。撮影中は僕も高校生だったのですが、紛れもなく僕にとっての“青春”だったなと思います。自分の心に残り続けるひと夏の時間でした。

ーー望月さんは役の大小に関わらず、演じる役柄の年表を作成されると聞きました。望来の年表はどのように作成されたのでしょうか。

望月:例えばですが、僕自身が昔の体験を語るとき、そのときどんなふうに思って失敗して、だからこうしたんです、と語ります。それと同じように、演じるキャラクターが、過去にあった事件や物事をどう感じ、どう行動したのかを想像していきます。今回は監督と話した部分が大きかったです。

ーー監督との対話はどういう形で。

望月:最初は僕と文監督自身のことをお互いに話していました。そこから作品のことを話していくという流れですね。どちらかが一方的に言うというよりも、お互いに出し合う感じでした。何が台本に書いてあって何がそうでなかったかも覚えていないぐらいに望来のディティールを詰めていきました。

ーーまさに主演だからこそですね。

望月:そうですね。僕自身で作品がどうとでもなってしまうというのが一番大きかったです。

ーー座長としての不安などは?

望月:決まったときは全然感じていなかったんです。台本をもらって、撮影に入ってと、日が経つごとに、マネージャーさんから「あなた次第でどうとでもなる」と言われて、そこからプレッシャーを感じるようになりました。でも、そのおかげでもあり、監督とも話し合えたこともあり、不安が消えるぐらいに今回は準備をしっかりすることができました。

ーーこの取材も含めて、主演の立場だと撮影後の動きも大きく違いますか。

望月:作品に関われる時間が圧倒的に違うと感じています。今までに比べて何倍も関われているので、そこは役者としてはすごく嬉しいですね。

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