大泉洋、7分間に及ぶ大演説を披露 『ノーサイド・ゲーム』熱弁に隠された真意を探る
「サラリーマンに努力賞なんてものはないんだよ。この世界、正義が勝つんじゃない。勝った者が正義なんだ」
「リーグ残留でいいだと。冗談じゃない! 残留どころから2位でもダメだ。君たちのその目標がすでに負け犬なんだよ!」
「ラグビーは君たちの誇りだろ」
「いいか。君たちはいまどん底だ。それをいま自覚しろ。そして、あとは上だけを見ろ」
「プラチナリーグで優勝するんだ。そうなれば誰も文句は言えない」
「私はアストロズを廃部にしようと思っていた。昨日の夜、君たちにコテンパンにされるまではな」
「君たちと戦いたい」
「どんなに無様であろうと、泥だらけになろうとかまわない。最後にボールをつかんでいた奴の勝ちだ。結果を出すんだ」
と約7分間にわたって熱弁を振るう君嶋。その姿は、瀕死のチームを目覚めさせるために全力で言葉のタックルを繰り返すようでもあり、上に挙げた伏線が一気に回収される爽快感があった。
端的に言うなら、社内の権力闘争に敗れて一度死んだ君嶋がラグビーのスピリットによって甦ったのが第1話ということになるが、GMとしての使命感から発した君嶋の言葉には、タオルを差し出したチームメイトへの敬意と感謝が込められているように思う。
見事に負け犬根性を払拭し、見違えるように闘志あふれる表情に変わった選手たち。ギアが噛み合ったチームは強い。君嶋がアストロズをどのように変えていくのか、早くも次週以降が楽しみだ。
■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。ブログ/twitter
■放送情報
日曜劇場『ノーサイド・ゲーム』
TBS系にて、7月7日(日)スタート 毎週日曜21:00〜21:54放送
出演:大泉洋、松たか子、高橋光臣、笹本玲奈、天野義久、廣瀬俊朗、齊藤祐也、林家たま平、コージ(ブリリアン)、佳久創、村田琳、笠原ゴーフォワード、大谷亮平、中村芝翫、上川隆也
原作:池井戸潤『ノーサイド』
脚本:丑尾健太郎ほか
演出:福澤克雄ほか
出演:大泉洋
プロデューサー:伊與田英徳ほか
製作著作:TBS
(c)TBS