ブラッドリー・クーパーが明かす、監督挑戦への本音 「恐怖を抱いて躊躇してしまっていた」
映画『アリー/ スター誕生』が12月21日から公開される。何度もリメイクされてきた1937年の名作『スタア誕生』を基にした本作は、 レディー・ガガが映画初主演を務め、ブラッドリー・クーパーが主演・監督・製作・脚本を担当したミュージカル・ドラマ。夢を諦めかけてた女性アリー(ガガ)が、有名ミュージシャンのジャクソン(クーパー)に出会ったことにより人生を大きく変えていくというストーリーだ。
今回リアルサウンド映画部では、本作で監督デビューを果たしたクーパーにインタビュー。ガガとの共演や、本作の監督をする予定だった師匠的存在のクリント・イーストウッドからの影響などを語ってもらった。
「僕は最初からガガにお願いしたいと思っていたんだ」
ーー役者としてキャリアを積んできたあなたと、世界的歌姫であるガガのコラボレーションは新鮮でした。
ブラッドリー・クーパー(以下、クーパー):最初からアリー役には、役者だけしかやっていない人は考えていなかった。ミュージシャンとしても活動している人だと、選べる人が少なくなってくるんだけど、僕は最初からガガにお願いしたいと思っていたんだ。参加が決まってからは作品に欠かせない人物になったし、資質を引き出せるようにキャラクターも彼女に合わせて作っていった。
ーーガガがあなたに与えたもの、そしてあなたがガガに与えたものは?
クーパー:ガガは僕に音楽的な部分を与えてくれた。僕のことをすごく信じてくれて、世界最高峰の歌手である彼女が一緒にステージで歌ってくれることで、自信を持つことができたよ。その一方で、ガガにとってはこれが映画初主演となるわけだけど、監督として共演者として、自分の全てを安心して出せるようにするのが僕の使命だった。「どんなことをやってもいい。恥ずかしい思いなんてさせない。守るから」と感じてもらえることが大切だったよ。言い換えるならば、お互いがお互いの安全網だったね。
ーー俳優だけでなく、声優、監督、脚本、作曲など様々なことに挑戦するあなたは、この作品が持つ、夢を追うことや、挑戦を恐れないことのメッセージを実現していますよね。
クーパー:ステファニー(ガガ)と僕は、今回今までにやったことがないことに挑戦したから本当にその通りだね。脚本を書いている時の喜びの1つは、新しいチャレンジと向き合っている自分が、まさに聞きたい言葉をジャクソンが語りかけていたことなんだ。僕も作り手として彼の言葉を聞いていたよ。自分の夢を人に言うのは怖いことでもあるし、恥ずかしい思いをするかもしれない。それでも人生において夢を叶えることほど、達成したっていう気持ちになれることはないと思う。僕も経験をさらに積んでいきたいし、君がそうやって感じてくれたことが僕の挑戦を受ける勇気に繋がるんだ。