『ドロ刑』早くも続編期待の声 中島健人、遠藤憲一を逮捕し“スタートライン”に立つ

『ドロ刑』一人前になった中島健人

 第2話のバーでの斑目(中島健人)と煙鴉(遠藤憲一)のやり取りにこんな言葉があった。「結局最後は執念なんだ」。先週の放送の第9話のクライマックスで斑目の頭を駆け巡る回想シーンでも登場したこの言葉はまさに、12月15日に放送された最終話で明らかにされた煙鴉の過去と、それをめぐる斑目たち13係との攻防を体現したものであった。

 日本テレビ系列土曜ドラマ『ドロ刑 –警視庁捜査三課−』最終話は、第9話からつながる硬派な展開のまま幕を開け、そのまま最後まで駆け抜けた。“虹”という言葉の謎に、警視総監の真鍋(本田博太郎)が鯨岡(稲森いずみ)に発する「煙鴉を自由にさせたら困る人が大勢出てくる」という不穏な言葉。そして13係の面々は、20年前に起きたある宅地造成をめぐる隠ぺい事件にたどり着くこととなるのだ。

 その事件が起きたのは「虹の見える丘公園」と名付けられた分譲地。かつて化学工場があった跡地を造成したその土地を購入したひとりの男は、有害物質によって幼い息子を失い、抗議運動に参加するも息子の死と有害物質との因果関係を認められず、妻は自殺。それでも諦めずに真相を探り続けた彼は、事件に関係する人々の家に忍び込みひたすら情報を集め、稀代の大泥棒“煙鴉”になる。そしてすべてを締めくくるかのように、巨悪の根源である大手ゼネコンの会長や関与した役人、訴訟を担当した裁判官、そして当時市長だった現在の総理大臣と、その陰にいる真鍋への復讐を企むというわけだ。

 前述のセリフには続きがあった。「どっちが本気で捕まえたいかで勝負は決まる。徹底的に泥棒の気持ちになれ」。そのエピソードではその後、斑目は煙鴉からの教えに従いながら“忍び”のプロフェッショナルの考えを先読みし、盗みに入る家を割り出し捕まえることに成功する。煙鴉から教え込まれた、この“ドロ刑”としての最も重要な教訓は、斑目を着実に成長させていったと同時に、ドラマ終盤には大きな足かせにもなっていた。

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