中村倫也と遠藤憲一の因縁の謎、深まる 『ドロ刑』に張り巡らされた伏線を紐解く

『ドロ刑』第7話に張り巡らされた伏線

 その管轄外捜査の根底にあるのは、刑事らしい「正義」という信念。本ドラマの当初の方向性のひとつでもある13係のチームワークがそれなりに強くなっていることが見受けられる中で、それを支えているものが「正義」だと改めて理解することができよう。とくに皇子山と宝塚の2人に関しては、少し風変わりな部分も否めない一方で、強い正義感を持ち合わせ、自身の持つスキルを存分に活かすこともお手の物ときた。

 今回の捜査の過程で皇子山は、潜入した病院で働く知り合いから情報をもらう。そこでの会話で、皇子山が執拗に煙鴉を追う理由として以前話に出た、“大切な人の命を奪った”という事柄が結びつく。そう、今回のエピソードで「病院」や「隠蔽」という要素が登場したことや、厳重にロックされた「セキュリティルーム」の存在。皇子山と斑目がかわす「入ると2週間出てこられなくなる」という話もまた、ひとつの伏線だったというわけだ。

 そして最後の最後に明らかになる、煙鴉の消息。別の病院に忍びこみ、あるデータを盗み出した煙鴉は、次の出られるタイミングまで2週間をそこで過ごしていたというのだ。そこで彼が調べていたのは「カルテ改竄問題について」と書かれた文書。それを書いた人物の名前は「皇子山真里」。自殺したとされる皇子山の“大切な人”に関わる資料をなぜ煙鴉は盗み出したのか。さらに2人の間にある“因縁”の謎は深まるばかりだ。

20181125-dorokei07-06
20181125-dorokei07-05
20181125-dorokei07-04
20181125-dorokei07-03
20181125-dorokei07-02
20181125-dorokei07-01
previous arrow
next arrow
20181125-dorokei07-06
20181125-dorokei07-05
20181125-dorokei07-04
20181125-dorokei07-03
20181125-dorokei07-02
20181125-dorokei07-01
previous arrow
next arrow

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『ドロ刑 -警視庁捜査三課‐』
日本テレビ系にて毎週土曜22:00~22:54放送
出演:中島健人(Sexy Zone)、遠藤憲一、石橋杏奈、中村倫也、江口のりこ、野間口徹、田中道子、生島翔、丸山智己、板尾創路、稲森いずみ
原作:『ドロ刑』福田秀(集英社「週刊ヤングジャンプ」 連載)
脚本:林宏司
音楽:木村秀彬
主題歌:Sexy Zone 「カラクリだらけのテンダネス」(ポニーキャニオン)
演出:大谷太郎、中島悟(AXON)、高橋朋広
制作協力:The icon
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/dorokei/
番組公式Twitter アカウント : @dorokei_ntv

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる