木村佳乃、逆境に立ち向かう強さを見せる 『あなたには渡さない』ドロドロ愛憎劇の幕開け

『あなたには渡さない』愛憎劇の幕開け

 1人の男をめぐって女同士の激しいバトルが繰り広げられるラブサスペンス『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)。その第2話が11月16日に放送された。

 料亭の御曹司で板長である夫・旬平(萩原聖人)と結婚し、20年間、平凡な主婦として過ごしてきた上島通子(木村佳乃)。そんな彼女の前に夫の愛人だと名乗る女性・矢萩多衣(水野美紀)が現れる。第2話は、倒産の危機に陥っていた料亭「花ずみ」を再建すべく奮闘する通子の姿が映し出された。

 通子は、旬平と多衣の関係に対する恨みを糧に、新生「花ずみ」の女将として生まれ変わる。平凡な主婦だった彼女は覚悟を決め、多衣と対峙してもたじろがない強い女性となった。第2話は、そんな彼女の強さと弱さが混じり合う回となった。

 ドラマ冒頭、通子は「花ずみ」を再建させるために多衣のもとへ行き、婚姻届を担保に6000万円を借りたいと申し出る。通子は愛人・多衣から、多衣と旬平の関係を見せつけられるような行為を受けるも、くじけることなく彼女と対峙する。多衣は、動揺を見せない通子の図太さに感心し、6000万円の小切手を手渡した。

 通子は、化粧っ気のない素朴さが印象的な女性だ。多衣の色気と余裕のある姿勢と比べると、まだ専業主婦だった顔が抜けきっていない。しかし相手の目をまっすぐ見やり、自分の意思を崩さない姿には、したたかな多衣とはまた違った強さを感じさせる。旬平をめぐった争いでは敵ではあるが、ビジネスのやりとりでは通じ合うものを感じたのだろう。2人は「裸で抱き合ったような感覚」を対峙する中で味わっていた。

 通子は、新生「花ずみ」の女将となり、旬平は板長として雇われる身だ。旬平の懐石料理を介し、笑顔で言葉を交わす2人の間には、多衣の存在は感じられない。しかし調理場とカウンター席の隔たりが彼女たちの関係を指し示す。通子が旬平に変わらない思いを伝えても、それは彼女1人だけの思いだ。旬平と言葉を交わす通子からは、彼の妻として接したい彼女の心が現れている。

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