森川葵、“深夜ドラマの女王”に君臨 『文学処女』『GIVER』『賭ケグルイ』での輝きを考察

 また、『GIVER 復讐の贈与者』(テレビ東京)は、復讐代行組織を創設した謎の美少女・テイカー役。この役は足が悪く動けないという設定で、本部からひたすら座って指示をする役なだけに、今までにない動きのない演技で表現していくため、森川自身も新しいチャンレジだと言っている。そして組織のリーダーなだけに落ち着き、皆から慕われる芯の強さを持ち、母性をも感じさせる存在を演じていた。

 そして、現在話題沸騰中の『文学処女』の月白鹿子役。文芸編集部編集者で、タイトルの通り恋を知らない女の役である。担当になる城田優演じる作家の加賀屋朔がセクシーなだけに、いろんなエッチな妄想を繰り広げる。このドラマで演じる役は、したたかさのないピュアな人物であり、森川自体が色気のある役の印象が薄いだけに、酔ってキスを迫ったり、下着姿で頭を冷やしていたりすると、返ってその妄想や、勘違いの行動がとてもギャップがありセクシーに感じる。あんな子があんなことをするわけがないという行為の裏切りや、寸止めの攻防など、これをデアゴスティーニのように毎週ちょっとずつ発展させていく物語がとてもいじらしい。今まで汚れた役も経験しているにも関わらず、視聴者をドキドキさせる処女キャラになりきっているところもまた、森川の演技のうまさと言わざる負えない。

 森川はドラマの世界に溶け込むのが実に巧みで、新しいことに挑戦し、何でも演じ切ってしまうところに女優としての面白さがある。そんな彼女だからこそ、実験的であったり、作家性の強い作品が多い深夜ドラマとの相性が良いのだろう。その間違いのない演技をする期待感は、もはやカメレオンから、カルト女優への域に到達したとも言える。ただ森川はここに留まることはなく、11月から舞台という女優としての新しい世界へと挑戦する。しかも宮藤官九郎脚本による『ロミオとジュリエット』という全く予想のつかない物語だからこそ森川がどう表現するのか、初舞台への期待も高まるばかり。

(文=本 手)

■放送情報
『文学処女』
MBS/毎週日曜 深夜0時50分〜
TBS/毎週火曜 深夜1時28分〜
原 作:中野まや花『文学処女』(LINEマンガ)
監 督:スミス
制 作:ソケット
(c)「文学処女」製作委員会・MBS
公式サイト:https://www.mbs.jp/bungakushojo/
公式Twitter:@bungakushojo_jp

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