上野樹里、物語に深みを与える演技が評判に 『グッド・ドクター』受けの芝居が生み出す共感性

上野樹里、受けの芝居が生み出す共感性

 現在放送中の連続ドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)で、山崎賢人扮する小児科レジデントの新堂湊を支える指導医・瀬戸夏美を演じている女優・上野樹里。彼女の演技が物語に深みを与えていると大きな評判になっている。

 上野演じる夏美は、自閉症でサヴァン症候群という新堂先生のよき理解者として、彼の能力を最大限に認めつつ、「小児外科医になりたい」という思いに寄り添う女性医師。本作がスタートすると、これまで演じてきて役柄とは違う難役を見事に演じている山崎への賞賛が相次いだが、一方で、上野の受けの芝居にも「さすが」という声が上がった。

 上野と言えば、本作の完成披露試写会で「10代、20代でフジテレビさんにはいい作品に出演させていただき、お世話になった」と語っていたように、『のだめカンタービレ』(06年)や『ラスト・フレンズ』(08年)など、いまでも色あせることない名作と呼ばれる作品で、非常に個性的な役柄を見事なさじ加減で演じてきた。

 本人も「これまでは、結構色の強い個性的なキャラが多かった」と当時を振り返っていたが、本作では「生い立ちになにかあるわけではない普通のまっすぐな医者」と夏美を定義づけ「だからこそいろいろな表情ができる」と役柄への抱負を語っていた。

 そんな上野の言葉通り、非常に強い個性を持つ新堂というキャラクターに寄り添い、彼の一挙手一投足を見事なまでに受け止め、状況に応じてさまざまな表情を見せている。特に、毎話新堂先生が問題を起こすたびに、医師としての立場、人として新堂先生を思う気持ちのはざまに揺れる感情表現は見事で、言葉を発せずとも、目線一つで観ているものに強い共感を覚えさせる。

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