間宮祥太朗と斎藤工、師弟関係の結末 『半分、青い。』鈴愛と涼次が遂に親に

間宮祥太朗と斎藤工、師弟関係の結末

 その2年間、妻として涼次を支え続けた鈴愛(永野芽郁)にとっても、今回の一件は決して他人事でない。時給800円の大納言で働きながら、節約で切り詰めた生活。それに、漫画家で成功するという夢が途絶えてしまった鈴愛にとって、涼次が映画監督を目指す姿は、自分が飛べなかった空を羽ばたく美しい希望。人のために生きようと決心し、2年間尽力してきた結果が、祥平に監督を奪われるという現実。けれど、鈴愛も涼次にとって祥平が大切な人であることを痛いほど知っているため、直接怒ることができない。

 『名前のない鳥』の監督を巡る涼次と祥平の3分余りのやり取りで、鈴愛は一言も発することはないが、どこまでも甘く、祥平を前に頭が上がらない涼次が口を開く度に、疑念、諦めに満ちた表情になっていき、そのまま鈴愛のナレーションで「そして、涼ちゃんは壊れた」と告げられるシーンが何とも印象的だ。過去にも、第13週「仕事が欲しい!」で、秋風(豊川悦司)を前に、自分の描きあげたネームを見せる鈴愛の表情が虚無から落胆へと変わっていく様子に驚いたが、また新たな永野芽郁の表情の幅を垣間見たような気がした。

 鈴愛は、ボクテ(志尊淳)とユーコ(清野菜名)の支えもあり「生きれば生きるほどタフになる」と気持ちを切り替え、涼次も鈴愛の妊娠をきっかけに父親として子供の未来と鈴愛の今に生きることを誓う。第18週「帰りたい!」では、子供・花野が大きくなり、鈴愛も立派な母親に。しかし、そんなときに涼次は祥平に呼び出され、映画の脚本の打ち合わせに……。ブッチャー(矢本悠馬)、菜生(奈緒)夫婦から律(佐藤健)の夫婦生活が上手くいっていないことは話題に上がっていたが、次週久しぶりに律が登場する。このタイミングが意味するものとは一体。そして、涼次は今度こそ“ダメンズ”を脱却できるのか。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳、中村倫也、古畑星夏
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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