『半分、青い。』衣装担当が明かす、鈴愛が“ボーダー柄”の理由 「着こなし過ぎない部分も大事」

『半分、青い。』衣装担当インタビュー

“着こなし過ぎてしまう”永野芽郁

ーー物語の中で印象的だった衣装が、律と数年ぶりに「夏虫駅」で再会するときに鈴愛が着ていたワンピースです。鈴愛のサイズと合っていない感じや色合いなど、とても絶妙でした。

澤谷:「アッパッパ」(簡易に着ることができる木綿製のワンピース)で、という北川さんからの指定がまずありました。「アッパッパ」は浴衣をほどいて仕立て直したりするものもあるんですが、それだとあまり面白くない。「おしゃれ木田原」で1,980円で売っていたものという設定もあったので、それなら派手なやつがいいなと思って探していたところに見つかったのが、あのワンピースだったんです。どこかバブルっぽくもあり、ちょっとガバガバなサイズ感も面白いなと思いました。

ーー見つけたときはこれだ!と。

澤谷:最初から緑色のものを探していたわけではなかったんですが、夏虫色というテーマにも合致して、色味の少ないシーンだったので、あの色が絶妙に画面の中で生きてくれました。ただ……いわゆる“ダサい服”でも、永野さんが着るとそれっぽくなってしまうのが非常に難しい。

ーー確かに、全身が映るカットだと、準備に失敗してブカブカサイズを着るはめになった鈴愛の持ってなさが出ていましたが、上半身だけのカットだとオシャレに見えます。

澤谷:そうなんですよ。だから、いかに“着こなしてもらわないか”、というのを永野さんにはお願いした部分があります。役者さんによっては、何を着ても格好良くなってしまう方、着こなしてしまう方もいます。だからこそ、僕らの仕事があるとも思いますし、脚本に合ったもの、その役に合ったものを選び続けるのが大事なんだと思っています。

ーー今後、鈴愛には子供も生まれ、いよいよ物語は終盤へ。衣装の視点から見る後半のポイントは?

澤谷:鈴愛の娘・カンちゃん(山崎莉里那)の衣装は、鈴愛に似せた色やアイテムにしています。親子揃ってボーダー柄を着ていたり、同じ柄のシャツを着ていたり。カンちゃんは物語の中でも一番若いキャラクターになるので、元気な色のシャツをチョイスしています。鈴愛をはじめとして、主要キャラクターたちも年齢を重ねてまた違った雰囲気の衣装にしているので、その点にも注目していただければと思います。

(取材・文=石井達也)

■放送情報
NHK連続テレビ小説『半分、青い。』
平成30年4月2日(月)~9月29日(土)<全156回(予定)>
作:北川悦吏子
出演:永野芽郁、松雪泰子、滝藤賢一/佐藤健、原田知世、谷原章介/余貴美子、風吹ジュン、中村雅俊、上村海成/豊川悦司、井川遥、清野菜名、志尊淳/間宮祥太朗、斎藤工、嶋田久作、キムラ緑子、麻生祐未、
制作統括:勝田夏子
プロデューサー:松園武大
演出:田中健二、土井祥平、橋爪紳一朗ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/hanbunaoi/

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