上白石姉妹、マルチな才能を示す 『羊と鋼の森』萌音&萌歌が見せたリアルな距離感
主題歌を担当したピアニスト・辻井伸行と主演・山崎賢人が、6月15日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出演したことでも話題の『羊と鋼の森』。主題歌や劇伴を含め音にこだわった演出にも注目だが、ピアニストの高校生姉妹を演じた上白石萌音と上白石萌歌が大きな存在感を残した作品となった。
ピアノ調律師という仕事を通じて青年の成長を描いた本作。主人公の新人調律師・外村直樹(山崎賢人)とピアニストの高校生姉妹・佐倉和音(上白石萌音)、由仁(上白石萌歌)、3人の若者の成長が本作の主軸となっている。
実の姉妹である萌音と萌歌は姉妹での共演は初めて。姉妹といえば広瀬すずと広瀬アリスが映画『ちはやふる』で姉妹役を演じていることが記憶に新しい。他にも平愛梨と平祐奈、瑛太と永山絢斗、柄本佑と柄本時生など姉妹や兄弟で役者になるケースは多くある。実姉妹の姉妹役は作品の世界観が崩れると揶揄されることもある。しかし、上白石姉妹は姉妹の雰囲気を残しながらも“佐倉姉妹“として作品に溶け込んでいた。
姉の萌音はNHK大河ドラマ『江 〜姫たちの戦国〜』で女優デビューし、映画『舞妓はレディ』で日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞し脚光を浴びる。以降、『ちはやふる』シリーズ、『君の名は。』と映画を中心に活躍。また2017年にはオリジナルアルバム『and...』を発リリース。秦基博や世武裕子(本作でも音楽担当)などから楽曲提供を受けるなど、アーティストとしての一面も持つ。
一方、萌香はドラマ、舞台を中心に活動を展開。舞台『星の王子様』、『続・時をかける少女』などで主演を務め力をつけてきた。また、テレビアニメ『はなかっぱ』(NHK)のオープニングテーマ「はなかっぱ ス・マ・イ・ル/とまとっと...?とうがらし ~やさいしりとり~」でCDデビュー。母親がピアノ講師という2人は、ともに音楽の道にも進みつつある。
そんな2人が、本作で演じる佐倉姉妹は正反対の性格。明るく人懐っこい性格の妹・佐倉由仁と内気で自分に自信が持てない姉・和音はお互いを理解しているからこそ会話が少ない。しかし目配せのみで息のあった連弾を見せるなどリアルな距離感が伝わってくる。