『ヲタクに恋は難しい』なぜ賛否両論に? 『3D彼女』『ネト充のススメ』ヒロインと比較して考える

 同じく、『ネト充のススメ』の主人公・盛岡森子も、美人でスタイルが良く、仕事の能力値も高いのだが、現在は30歳無職、恋人はおろか友達も少ないネトゲ廃人だ。どちらかといえば残念要素の方が勝っている。

 色葉も森子も基本値は高いのだが、彼女たちからは共通して“人生イージーモード感”が発されていない。それと比較すると、『ヲタ恋』の成海は過去の恋愛で手痛い経験をしてきたとはいえ、作中では比較的器用に身を振っているため、やっかみも受けやすいのだろう。

 このように、一部批判的な意見も見られる『ヲタ恋』だが、その分注目度が高いともいえる。実のところ、筆者もあまり成海には共感できないクチなのだが、ファンとアンチ、双方の意見を見ていても大変興味深い。『ヲタ恋』は、様々な議論が生まれる作品としても評価できるのではないだろうか。

■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

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