ディーン・フジオカの「Echo」響く 『モンテ・クリスト伯』復讐鬼に未だ宿る切なき愛に涙
実の母子である神楽留美(稲森いずみ)と安堂完治(葉山奨之)に肉体関係を持たせ、じわりと復讐の歯車を動かし始めたモンテ・クリスト・真海(ディーン・フジオカ)。5月17日に放送された『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』(フジテレビ系)第5話では、彼の緻密に練られた計画により命を落とす者が現れた。
今回のターゲットは、真海を投獄した警視庁・刑事部長の入間公平(高橋克典)。父である貞吉(伊武雅刀)のせいで苦しい生活を強いられた過去があり、異例のスピード出世も父への憎悪が関与している。そんな彼を陥れるために今回選ばれた“駒”は、入間の娘である未蘭(岸井ゆきの)の婚約者、出口文矢(尾上寛之)だ。貞吉は、2人が結婚すれば総資産30億円を未蘭に相続せず、寄付する旨を第4話で遺言に記載した。
そこで真海は、外務省勤務でマレーシアに駐在していた出口を呼び戻し、入間家が遺産で揉めていることを彼に吹き込んだ。さらに、結婚が相続を不可能にするのならば、結婚する前に殺してしまえば30億円を受け取ることができると、貞吉の殺害もささやく。口では遺産目当ての結婚ではないと言いながらも、未蘭の話に顔を曇らせた出口は計画を遂行する。
『アンナチュラル』(TBS系)、『シグナル 長期未解決事件捜査班』(カンテレ・フジテレビ系)と連続殺人犯役を続けて務めてきた尾上。彼のイメージもあり、てっきり出口が貞吉を殺めるものだと思っていたが、意外にも今回彼は被害者側に回ることに。それでも、尾上が見せる、殺害への葛藤と緊張で震える姿は、役柄が憑依したかのような説得力を持っていた。命を奪おうとする役がよく似合う。