岩田剛典×斎藤工が語る、信頼関係から生まれた“その先”「偶然ではなく必然的なものになっていく」
斎藤「対立構造にあっても、お互いの信頼関係があるとその先に行けることがある」
ーー2人は普段から親交があるんですか?
斎藤:食事も何度かありますし、去年はたまたま見に行ったパリのファッションショーでもご一緒しました。
岩田:いろいろなご縁がありますよね。2人とも『HiGH&LOW』には出演していましたが、“共演”という意味では今回が初めてだったので、すごくうれしかったです。
斎藤:僕もライブをよく拝見させていただいているので、今回ガッツリと共演することができてうれしかったです。
岩田:でも今回の現場では、僕の知っている普段の工さんではなかったです。そういう現場でしたし、工さんは緊張感のある中でずっと木原坂でいてくださったので、2人が対峙するシーンだったり主導権の握り合いだったりするシーンは本当に役が乗り移ったかのようでした。信頼関係の上に成り立っているような感じがあって、僕はすごく心地よかったです。
斎藤:本当にそうでした。現場の空気がなれ合いにならないように、全員が意識していた気がします。
岩田:工さんがとあるシーンでふとしたときに見せた表情に心底ゾッとしたこともあって。それを見たときに、「わーっ! すごい芝居するなあ」と思いましたし、そのおかげで僕も振り回される耶雲を演じることができました。ちょっとしたボタンの掛け違いで、誰もがそうなってしまう。この作品で描かれている人間の光と闇は、断片的に見ていくと共感できる部分はあると思うんです。そういう作品で工さんと共演できたのが本当に幸せでした。
ーー撮影現場は緊張感のある空気だったようですが、撮影の後半で、岩田さん、斎藤さん、そして編集者・小林良樹役の北村一輝さんの3人で食事に行ったこともあったそうですね。
岩田:3人でダーツもしましたね。北村さんと工さんは映画人トークに花が咲きまくっていて、僕は相づちを打っているだけのような感じだったんですけれども(笑)。
斎藤:いやいやいや(笑)。その食事会は北村さんが席を設けてくださったんですけれど、ある大事なシーンの撮影前だったんです。その食事会があったからこそ、そのシーンがいいものになったなと。例えばラブシーンもそうですけど、対立構造にあっても、お互いの信頼関係があるとその先に行けることがあるんです。個と個の足し算というよりは掛け算になっていくというか。そういう意味でも、あの食事会はとてもいい夜になりました。
(取材・文=宮川翔/写真=伊藤惇)
■公開情報
『去年の冬、きみと別れ』
3月10日(土)全国ロードショー
原作:中村文則『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎文庫)
監督:瀧本智行
脚本:大石哲也
音楽:上野耕路
出演:岩田剛典、山本美月、斎藤工、浅見れいな、土村芳、北村一輝
主題歌:m-flo「never」(rhythm zone / LDH MUSIC)
配給:ワーナー・ブラザース映画
(c)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会
公式サイト:http://fuyu-kimi.jp
公式Twitter:@fuyu_kimi
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