眞島秀和、北村匠海に優しく寄り添う 『となかぞ』が描く“同性カップルの見えざる苦悩”

『となかぞ』が描く“同性カップルの苦悩”

「知ること」が今回のカギに 

 第4話は、全体を通して「自然は正義なのか」がテーマだったのではないかと思える。人工受精にステップアップしようと考える五十嵐夫妻は、奈々の母親・春枝からの「もし産まれた子が、自然に産まれたんじゃないことを理由にいじめられたらどうする?」という反対に頭を抱える。また、大器の妹・琴音(伊藤沙莉)は、夫・啓太(前原滉)の無痛分娩への偏見に、“自然神話”に取り憑かれている人の哀れさを嘆く。

 そして、深雪も男女が惹かれあうのが自然なことだと、渉と朔を責めた。そんな深雪に奈々は、人は誰だって“自分が望む幸せ”を手に入れようと努力する権利があると反発。さらに、今まで深雪の尻に敷かれていた夫・真一郎(野間口徹)も、深雪が自分の生活に加工を施し、SNSで見栄を張っていることをチクリと指摘する。

 人間が、完全なる“自然”で生きていくことはもはや不可能だ。大器は最後に、「知ろうとするだけでも」と体外受精について必死でまとめた資料を春枝に渡した。「彼女がやろうとしていることは、決して不幸になろうとしてやってることじゃなくて、幸せになろうとしてやってるってことだけは理解してやってほしいんです」と語る大器の熱意に胸を打たれた春枝は、資料を受け取り、「大器さん。奈々のこと、どうかよろしくお願いします」と頭を下げた。(ここで流れるMr.Childrenの「here comes my love」のタイミングは、憎いほど心を揺さぶってくる)

 自分と違う他人の部分を受け入れることは、決して容易いことではない。極端に言ってしまえば、人間全員普通じゃないし、自分から見れば他人なんて全員変な存在だ。それでも、“知る”ということが他人と共存していくファーストステップとなっていく。フィクションといえど、われわれ視聴者は、第4話のメインである同性カップルの苦悩を、ドラマを見届けたことで少し知ることができた。無知の知を自覚させ、次なるステップへと導いてくれる『隣の家族は青く見える』の、今後の展開がますます楽しみだ。

(文=阿部桜子)

■放送情報
木曜劇場『隣の家族は青く見える』
フジテレビ系にて毎週木曜22:00から放送
出演:深田恭子、松山ケンイチ、平山浩行、高橋メアリージュン、北村匠海、眞島秀和、真飛聖、野間口徹、伊藤かずえ、高畑淳子、橋本マナミほか
脚本:中谷まゆみ
プロデュース:中野利幸
演出:品田俊介、高野舞
制作:フジテレビ第一制作室
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/tonari_no_kazoku/



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