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『陸王』はなぜ“群像劇”に? 池井戸潤ドラマ『半沢直樹』路線からの変化を読む

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 『半沢直樹』の頃とは違い、炎上商法的な人間の醜い部分を強調するような露悪的な物語ではなく、もっと健全で前向きなものが見たいというドラマ視聴者の思いを読み取っての路線変更もあるのだろう。

 これは、坂元裕二脚本の『カルテット』(TBS系)や岡田惠和脚本の連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK)、遊川和彦脚本の『過保護のカホコ』(日本テレビ系)といったベテラン作家の変遷にも通じるものがあり、今のテレビドラマの一つの流れなのだろう。

 様々な立場の人間たちが交差する物語の広がりと引き換えに、毒々しい歪な魅力が消えたということは、両者はトレードオフ的な関係にあるのかもしれない。心情的には描かれている物語の前向きさに共感しつつも、福澤演出の歪つな迫力に怖いもの見たさで惹かれていた立場としては、どこか寂しく感じるものもあり、少々複雑な気分である。

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■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■放送情報
日曜劇場『陸王』
10月スタート 毎週日曜21:00~21:54
出演:役所広司、山崎賢人、竹内涼真、音尾琢真、志賀廣太郎、光石研、キムラ緑子、寺尾聰ほか
原作:池井戸潤「陸王」(集英社刊)
脚本:八津弘幸
プロデューサー:伊與田英徳、飯田和孝、川嶋龍太郎
演出:福澤克雄、田中健太
製作著作:TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/rikuou_tbs/

      

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