ディーン・フジオカのビデオコメントも 深田晃司監督作『海を駆ける』インドネシアで製作発表

『海を駆ける』インドネシア国内向け製作発表

 現地時間11月7日、インドネシア・ジャカルタにて開催された国際交流基金主催「日本映画祭2017」にて、ディーン・フジオカ主演映画『海を駆ける』のインドネシア国内向け製作発表が行われた。

 本作は、日本・インドネシア・フランス共同製作にして、『淵に立つ』の深田晃司監督がメガホンを取ったオリジナル最新作。人間の生活が自然とともにある様を、インドネシアの海と、国籍や宗教を越えて育まれる若者たちの友情を通して描く。今年8月5日から28日の約1ケ月間に渡り、全編インドネシア、バンダ・アチェで撮影が行われた。

 ラウと名付けられ、奇跡を起こす正体不明の男をディーン・フジオカが演じるほか、成り行きでラウと一緒に暮らすことになる日本人の貴子役で鶴田真由、貴子の息子・タカシ役で太賀、タカシの従妹役で阿部純子がそれぞれ出演。

 11月2日から7日にかけて開催された「日本映画祭2017」。同イベントでは、『淵に立つ』が上映され、深田監督が舞台挨拶に登壇した。その際に、『海を駆ける』の製作発表記者会見も行われ、イルマ役として出演した女優セカール・サリの姿も。

 また、映画が公開される2018年は、インドネシアと日本の国交60周年記念に当たることから、在インドネシア日本国大使館広報文化センター長・公使の中村亮氏、国際交流基金ジャカルタ日本文化センター所長の塚本倫久氏、本作への出資及びインドネシア国内での配給を行うカニンガ・ピクチャーズの代表ウィラワティ氏、プロデューサーのジョヴァンニ・ラフマデヴァ氏が出席。

 同会見では、本作のインドネシア語タイトルが「Laut」(読み:ラウ/意味:海/ディーン・フジオカが演じるキャラクター名)に決定し、インドネシアでは2018年の中頃に劇場公開されることが発表された。また、ディーン・フジオカより英語でのビデオコメントが届き、披露されている。日本での公開は、2018年5月に決まっている。

 なお、同会見で発表されたコメントは以下の通り。

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深田晃司(監督)

バンダ・アチェを知ったのは、2011年東日本大震災後の12月に京都大学とバンダ・アチェのシアクアラ大学が共同で震災と復興に関するシンポジウムに同行する機会を得ました。そこで、震災の傷跡と共に、復興した街を目の当たりにして、日本人とインドネシア人では死生観や復興への取り組み方が違うことが興味深く、カルチャーショックを受けました。また、バンダ・アチェには多くのトーチカが残されていて、日本とこの地は第二次世界大戦や、津波という共通する歴史体験を持っているということも知りました。そのような素地の場所に、日本の若者たちが降り立ったらどのような景色が見え、何を思うのだろうということを映画にしたいと思いました。
バンダ・アチェで撮影をするということは、何かと大変ではないかと色々な人から心配されましたが、これまでで一番快適な撮影となり、全く問題はありませんでした。日本から来たスタッフとキャストを迎え入れてくれた、インドネシアのスタッフと俳優たち、アチェの地元の皆様に感謝しております。

セカール・サリ(イルマ役)

とても印象深い1ヶ月の撮影期間でした。アディパティさん、そして太賀さんと阿部さんとの共演は本当に楽しく、良い経験になりました。まだ彼らとの時間がとても大切に私の中に残っています。今回アチェ人の女性を演じたのですが、私はジャワ人なので、役者としてとてもいい経験をすることができました。台本を初めて読んだ時に、とても面白く、また深田監督の「淵に立つ」をジョグジャカルタの映画祭で拝見して感銘を受けていたので、台本をもらった時に、本当に是非参加したいと思いました。この作品はインドネシア語、アチェ語(アチェ地方の方言)、英語、日本語が使われていて、とても楽しい撮影でしたが、アチェ語はインドネシア語とは全く別の言葉でしたので、撮影前にだいぶ勉強をしました。これもとてもいい経験となりました。

ディーン・フジオカ(ラウ役/ビデオレター/日本語訳)

記者会見に参加できなくて残念ですが、この作品が公式にインドネシアで製作発表されることをとても嬉しく思っています。私にとってインドネシアはとても特別な国なので、とても嬉しいです。今回、この企画に才能あるキャスト、スタッフの皆さんと参加することができたことは、本当に特別な体験でした。バンダ・アチェには初めて行きました。撮影は全てその周辺で行われましたので、私は素晴らしい時を過ごすことができました。人々の活気を感じてとても刺激を受けました。インドネシアの皆さんに、来年この作品をお届けできることが本当に楽しみです。

■公開情報
『海を駆ける』
2018年5月、全国ロードショー
出演:ディーン・フジオカ、太賀、阿部純子、アディパティ・ドルケン、セカール・サリ、鶴田真由
脚本・監督:深田晃司
企画・制作:日活
配給:東京テアトル 
(c)2018「海を駆ける」製作委員会
公式サイト:umikake.jp

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