竹内涼真と佐野岳のマラソン真剣勝負も! 『陸王』初回から骨太な展開に
15年ぶりの連続ドラマ主演である名優・役所広司を筆頭に、今をときめく山崎賢人や竹内涼真といった若手俳優から、寺尾聰といったベテランまで豪華キャストが集結。『半沢直樹』シリーズや、『下町ロケット』の池井戸潤の小説を原作とした日曜劇場『陸王』(TBS)。10月15日の第1話は、初回2時間スペシャルで放送された。
埼玉県行田市で100年続く足袋会社「こはぜ屋」。四代目社長・宮沢紘一(役所広司)を中心に、従業員20人ほどの小さな会社でありながらも、そこは温かく活気に満ちている。しかし現実は、年々先細る足袋の需要や、ミシンの故障、銀行からの追加融資がなかなか下りないといった厳しいものばかり。第1話では、銀行の「こはぜ屋」融資担当である坂本(風間俊介)から新規事業に踏み出すことを提案され、時代の荒波の中、いよいよ本格的に「マラソン足袋・陸王」の製造に「こはぜ屋」一丸となって乗り出すまでが描かれた。
いまの時代、なかなか足袋に触れる機会というのものは少ないだろう。本作では、時おり説明を交えつつ、テンポよく展開し、「こはぜ屋」周辺の人々を浮かび上がらせる。たまたま靴屋で「ファイブフィンガーズ(五本指)」のシューズを手にした宮沢は、その軽さに驚く。そのとき坂本の「こはぜ屋ならではの強みが必ずある」というひと言を思いだし、「マラソン足袋」の開発へと彼は動き出すのだ。「ヒール着地は怪我をしやすい。ミッドフット着地が人間本来の走り」だと口にするスポーツ用品店の店主・有村(光石研)から誘いを受け、宮沢は息子・大地(山崎賢人)を連れだって、愛知県豊橋市で開催されるマラソン大会を見に行く。
やはりこの第1話の大きな見所の1つが、この「豊橋国際マラソン」の場面。箱根駅伝で4年間デッドヒートを繰り広げて以来、大学卒業後はじめての対決となる、茂木(竹内涼真)と毛塚(佐野岳)。演じる俳優両者が役者となる以前に培ってきた、高い身体能力を披露する場面でもある。美しいフォームと、前へ前へと繰り出されるしなやかな身体性は、まるで本当のマラソン大会を見ているような臨場感あふれる真剣勝負となった。ここで目の当たりにする茂木の挫折に、宮沢は決意をよりいっそう強くする。