『コード・ブルー』の成功は月9を変えるか? 賛否両論を呼んだ作風の意義
最後に、『コード・ブルー』の成功は今後の月9に大きな影響を与えるのだろうか? 個人的には今回の成功は増本たち作り手の成果でしかないと思っている。だから彼らの次回作には期待しているが、月9自体が復活するにはまだまだ試行錯誤が必要だ。より具体的に言うと、プレイヤーがまだまだ足りない。
例えば90年代なら、『東京ラブストーリー』や『101回目のプロポーズ』を手掛けた大多亮と『ロングバケーション』や『踊る大捜査線』を手掛けた亀山千広というライバル関係にあるプロデューサーが、交互に作品を発表することで、フジテレビのドラマは盛り上がりを見せていた。
その意味でも、必要なのは増本淳にとっていい意味でのライバルとなれるプロデューサーの存在だろう。増本たちのライバルとなるようなドラマチームが頭角を現し、月9を舞台にしのぎを削るような状況となった時、はじめて状況は変わるのかもしれない。
■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。
■放送情報
『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』
フジテレビ系にて毎週月曜21:00~放送
出演:山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、成田凌、新木優子、馬場ふみか、寺島進、杉本哲太、りょう、安藤政信、椎名桔平ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:佐藤直紀
主題歌:Mr.Children「HANABI」(TOY’S FACTORY)
プロデューサー:増本淳
協力プロデューサー:中野利幸
演出:西浦正記(FCC)、葉山浩樹、田中亮
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/codeblue/index.html