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Netflix版『デスノート』はなぜ原作と大きく異なる物語に? アダム・ウィンガード監督×マシ・オカ対談

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 Netflixオリジナル映画『Death Note/デスノート』が8月25日より全世界同時オンラインストリーミングされている。本作は、2003年から2006年まで『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた原作・大場つぐみ、作画・小畑健による人気コミック「デスノート」を、ハリウッドで新たに映画化したもの。顔を思い浮かべながら名前を書いた人間を殺すことができる力を持つ“デスノート”を偶然手にした男子高校生が、生きるに値しないと思う人々を次々に殺めていく模様を描く。

 リアルサウンド映画部では、メガホンを取ったアダム・ウィンガード監督とプロデューサーを務めたマシ・オカにインタビュー。ハリウッドで実写映画化することになった経緯や、原作とは大幅に異なる内容に変更した理由、劇中で使用されている80年代の音楽についてなど、じっくりと語ってもらった。

監督「高校生特有の感情的な視点から物語を紡いでいきたかった」

マシ・オカ

ーー数ある日本の漫画の中から、なぜマシ・オカさんは『デスノート』をハリウッドで映画化しようと思ったのですか?

マシ・オカ:以前から原作の漫画「デスノート」のファンだったんですよ。『週刊少年ジャンプ』で連載されていた頃に、リアルタイムで読んでいました。実は、『Death Note/デスノート』をハリウッドで実写化するというプロジェクトは、僕ではなく、ダン(・リン)さんはじめほかのプロデューサーさんたちが進めていたんです。当時、僕はジェイソン(・ホッフス)プロデューサーと違う案件を預かっていて、それを実写化するために開発していました。その案件が満期になったところで、『Death Note/デスノート』もプロデュースしてくれないかというオファーを頂いたんです。映画を一つ作り上げるというのはすごく大変な作業なので、仲間は多い方がいいですし、ましてやダンさんとロイ(・リー)さんという素晴らしいプロデューサーが携わっていたので、ぜひ一緒にやりましょうとお引き受けしました。

ーーウィンガード監督は、原作や日本の実写映画は観賞していますか?

アダム・ウィンガード監督(以下、ウィンガード監督):私の弟がファンだったので、その影響もあり、2011年頃には原作を読んでいました。とはいえ、マシ・オカさんに比べたらまだまだ新参者ですが……(笑)。また、日本で実写化された映画も拝観しています。リュークなんですが、日本の映画の中ではしっかりとCGのキャラクターとして作り上げられていましたよね。今回は新鮮味を出したかったので、リュークに関してはより質感を意識して描き出しました。実際にカメラで撮りたいとも思っていたので、CGで後付けではなく実際に役者に演じてもらっています。声自体はウィレム・デフォーが当てていますが、現場ではリューク役を7フィート(約213cm)という非常に長身の役者が演じていました。顔の部分だけをCGで置き換えているんですよ。

リューク
アダム・ウィンガード

ーーリュークのビジュアルだけでなく、ライトとリュークの出会いや観覧車でのシーンなど、色鮮やかで美しい映像が印象的でした。

ウィンガード監督:高校生特有の感情的な視点から物語を紡いでいきたかったので、映像は特に意識しました。初めて恋愛を経験した時って、昨日までの世界とはまるで違って見えませんか? すべてが実際の物よりも大きく鮮やかに見えると言いますか。また、10代の頃の別れというのは、この世の終わりのように感じてしまう。そういう感性の豊かさみたいなものを作品の中に入れたかったんですよね。だからこそ、映像のほかに音楽にも力を入れました。本作では80年代のバラードやポップミュージックをふんだんに使用しているのですが、そこに至るまでに、どうしたらより物語をドラマチックに盛り上げられるのかを考え、ありとあらゆる音楽を耳にしました。なので、結構時間がかかってしまって……。そんな中で、観覧車のシーンで流れるシカゴの楽曲「I Don’t Wanna Live Without Your Love」にたどり着いたんです。この曲を聴いた時に、“これだ!”とピンと来ると同時に、とても大胆なアプローチができるのではないかとワクワクしましたね。

ーーほかにも、コンセプト以外のほとんどを原作とは違うものにしていますよね。

ウィンガード監督:「デスノート」は、すでに様々な解釈でアニメ、ドラマ、映画と何通りにもリメイクされていますよね。なので私は、いわゆるリ・イマジネーション(再創造)という形で作りたかったんです。そもそも我々は、この物語を異国で展開させていくにあたり、同じものでは通用しないと考えていました。馴染みのある物語を全く新しい作品として観客に味わっていただきたい。そのためには、スタイル的にも内容的にも大幅に変更しなくてはならなかったんです。たとえば、音楽の使い方も意識的に今までとは違うものにしています。「デスノート」に馴染みがあるファンの方でも、全く知らない方でもどちらにも楽しんでいただけるように作りました。

マシ・オカ:あと、原作は12巻という長い歳月をかけて、キャラクターたちのストーリーを構築していくのですが、映画はどうしても短い時間でまとめなければなりません。また、頭脳戦が印象的じゃないですか。そうすると喋りが多いんですよ。でも、映画にした時にセリフだけでみせるのは非常にもったいない。大切なのは、映像でみせることなんです。アメリカの映画で一番大切なのはキャラクターの成長。原作のライトやエルは、どうしても感情的には動かないじゃないですか。その冷静さが面白いところでもあるのですが。映像化した場合、「デスノート」を認知していない方でもご覧になる可能性が高い。キャラクターがどうやって変化し、成長するのか、そこを丁寧にわかりやすく描写することが重要なんですよね。あと、主人公エルを天才ではない普通の高校生に置き換えることによって、アメリカの観客は感情移入しやすくなります。我々は観客に、「もし一般人の自分が、ライトみたいにデスノートの力を急に手に入れたらどうするか」ということを考えながら、劇中のライトと一緒に悩んで欲しかったんです。天才という設定だと、どうしても自分自身に立場を置き換えることは難しいのではないでしょうか。第三者的エンターテインメントとして観てしまいますよね。アメリカで映像化する場合は大抵、「共感」と「観客が主人公」という狙いが根底にあるんですよ。

L(ラキース・スタンフィールド)、ライト・ターナー(ナット・ウルフ)

      

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