『逃げ恥』『カルテット』『あなそれ』……TBS『火曜ドラマ』軒並みヒットの理由

『逃げ恥』『カルテット』『あなそれ』……TBS『火曜ドラマ』軒並みヒットの理由

火曜22時の先輩・フジとNHKの撤退

 『火曜ドラマ』躍進の理由は、その他3つある。

 最も大きかったのは、前述したライバルたちの撤退。まずNHKが2016年4月から金曜22時へ移動、次にフジテレビ(関西テレビ)も同年10月から火曜21時へ移動し、TBSの『火曜ドラマ』は唯一のドラマ枠になった。『火曜ドラマ』はそれまで不振に悩まされていたにも関わらず、「歴史が長くヒット作も多いライバルがなぜか撤退する」という幸運を得て、ドラマフリークを独占できるようになったのだ。

 また、ネットPRの巧みさと努力も忘れてはいけない。SNS、短尺動画、主題歌の使い方など、『火曜ドラマ』のネットPRは業界トップクラス。視聴者が「思わずツイートしたくなる、シェアしてしまう」投稿や、ネットメディアが記事化したくなる仕掛けを用意し、それがバズる上での導火線となっている。

 最後にもう1つ、人気バラエティー『マツコの知らない世界』からCMなしでドラマ本編がはじまるのも地味に大きい。冒頭に流される前回放送のダイジェスト版も的確で、「録画でいいや」ではなく「そのまま見よう」と思わせる小さなアシストとなっている。

 つまり、明快な“背骨”に加えて、思いも寄らぬ幸運や細部の努力が重なっての躍進と言えるだろう。7月スタートの『カンナさーん!』も渡辺直美主演の超異色作だが、10~40代の女性層を中心に大きな反響を集めるのではないか。

■木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月間約20本のコラムを提供するほか、『新・週刊フジテレビ批評』『TBSレビュー』などに出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

(c)TBS

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