『沖縄国際映画祭』レポート第2弾! 奥山和由監督作から日豪合作まで、注目作を一挙紹介

沖縄国際映画祭レポ第2弾

 本日の注目作のひとつは、日本とオーストラリアの合作であるロジャー・パルバース監督の『STAR SAND ─星砂物語─』でしょう。大島渚監督の薫陶を受け、日本で半世紀を過ごした作家・劇作家・演出家のロジャー・パルバースが、初めて日本語で書いた小説を自ら映画化した作品で、ヒロインを織田梨沙が演じるほか、満島真之介、吉岡里帆、三浦貴大といった実力派俳優が集結。オーストラリアからは、ブランドン・マクレランドが出演しています。さらに主題曲は、『戦場のメリークリスマス』以来のパルバース監督の友人である坂本龍一が提供。1945年4月の戦時下にある沖縄と、2016年の東京、ふたつの舞台を通して、未来への希望を描き出す物語です。まさに本映画祭のコンセプトにぴったりの作品といえます。

 上演後の舞台挨拶(メイン写真)で、パルバース監督は、織田梨沙をヒロインに起用した理由について、「(16歳の)イノセンス(のシーン)もできるし、(後半の)20代の役もできるし、何でもできるし、なんといっても英語が上手いですから。ネイティブに近いので、そこに惹かれました」と明かしました。また、織田梨沙は戦時中の少女を演じるにあたって、「もちろん戦争の時代を生きてきたわけではないですし、歴史などに疎いので、色々大変でした。(中略)監督と話し合ったり、他の方々から戦争時代のことを聞いたりだとか、現場に行った時の洞窟の雰囲気だとか、戦争で崩れ落ちそうになっている建物を見て、少しだけれども自分なりに感じ取りました」と語っていました。

 『STAR SAND ─星砂物語─』は、2017年6月21日より沖縄・桜坂劇場にて先行上映、8月4日より東京・ユーロライブにて公開し、その後、順次公開される予定です。

 さて、この後は映画版『火花』を手がけた板尾創路監督にインタビューを行います。Netflixのドラマ版『火花』が高い評価を受けた後の監督作とのことで、アプローチにどんな違いがあるのかが気になるところです。また、主演を務める菅田将暉と桐谷健太についても、色々と聞き出したいと思います。こちらのインタビューも近日公開いたします。

(取材・文=松田広宣)

■イベント情報
「島ぜんぶでおーきな祭 第9回沖縄国際映画祭」
日程:4月20日(木)~23日(日)
開催場所:那覇市/宜野湾市/北谷町/浦添市/沖縄市/豊見城市/中城/北中城/本部町/石垣市/宮古島市ほか沖縄県内各所
主催:沖縄国際映画祭実行委員会
運営:株式会社よしもとラフ&ピース
公式サイト:https://oimf.jp/

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