時代が剛力彩芽に追いついた!? 『女囚セブン』“ドスの効いた京都弁”で新境地へ
加えて、剛力のキャリアを振り返ると、昨年11月に明治座で檀れいとのダブル主演で行った舞台『祇園の姉妹』でも、剛力は芸妓役を演じていた。剛力にとって初めての舞台となった『祇園の姉妹』で培った京都弁や立ち振る舞いは、役どころこそ異なるものの、『女囚セブン』でも多いに活かされているといえよう。
女優としての剛力の特筆すべきところは、その役どころの幅広さとユニークさだ。前クール『レンタルの恋』(TBS)では、エヴァンゲリオン初号機やカブトムシなど、意表を突いたコスプレで視聴者を楽しませたが、こうした突飛なことにも外連味なく挑戦できるのは、彼女の女優としての強みであり、企画性が重視される深夜ドラマに重宝される理由だろう。また、自らがネタとしてイジられることを、前向きに楽しんでいる姿勢も好感に繋がっているはずだ。2010年代前半に出演していた作品では、女優としての評価は決して高いとはいえなかったが、それでも主演作が途切れず、今なお話題となり続けているのは、ある意味、時代が剛力彩芽に追い付き始めたから、といえるかもしれない。彼女の底抜けに明るい性格とチャレンジ精神は、今こそ視聴者が求めているものではないだろうか。
「陰湿、シリアス、怖い」といった女囚のイメージに、コメディー要素やアクションをふんだんに盛り込み、新たな感覚を提示している『女囚セブン』。剛力の捲し立てる京都弁は、彼女の新境地を示すとともに、“深夜ドラマの女王”の座をさらに強固にしていくだろう。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter
■番組情報
金曜ナイトドラマ『女囚セブン』(テレビ朝日系)
毎週金曜日23時15分〜
出演:剛力彩芽、山口紗弥加、トリンドル玲奈、平岩紙、橋本マナミ、木野花、安達祐実
脚本:西荻弓絵
企画・製作:テレビ朝日
公式サイト:http://www.tv-asahi.co.jp/joshu-7/