嵐メンバー“役作り”の違い 天性の二宮、内面の大野、こだわりの松本、なりきりの相葉、外見の櫻井

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(C)タナカケンイチ

 『世界一難しい恋』(日本テレビ系)、『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)、『弱くても勝てます〜青志先生とへっぽこ高校球児の野望〜』(日本テレビ系)、『99.9 -刑事専門弁護士-』(TBS系)、映画『暗殺教室』、『母と暮せば』……。嵐が出演した作品の多くは好評で、新たな作品が発表されるたびに大きな話題となる。いずれのメンバーも個性や演技力を評価されているが、役作りに対する姿勢は一人ひとり全く違う。今回は嵐のメンバーが、どのように役と向き合っているのか、検証してみたい。

 まず、嵐の中でも特に演技の仕事を積極的に行なっている二宮和也。しかしながら彼は、あえて意識的に役作りをしないことで有名である。もちろん、多少見た目を近づける役作りはするものの、中身の部分では登場人物に寄り添ったりはしないのだ。以前、『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』に出演した歳、二宮はこんな話をしていた。

「自分が演じる役に興味がないんですよ。このドラマの主人公がどういう人物で、野球部の監督がどういう存在であるとか、ほとんど考えない。おれ、前もってイメージとかしないんで」(出典:NEWSポストセブン/自己主張と演技のこだわりがない二宮和也に周囲が驚く

 台本も、自分のセリフしか読まないという二宮。何も準備しないことで周りの俳優陣たちに自然なリアクションを返しつつも、作品を壊さない演技をするのが二宮の強みだ。しかしこれは誰にでも出来るものではない。天性の才能があってこそだろう。実際に、『母と暮せば』で共演した吉永小百合にも「和也さんは、天才です」と言われているほどだ。2017年には、映画『ラストレシピ〜麒麟の舌の記憶〜』で主演を務める。豪華な俳優陣との共演となるが、二宮なら豊かなアンサンブルを奏でてくれるはずだ。

 一方でほかのメンバー、大野智・松本潤・相葉雅紀・櫻井翔は役作りをしっかり行なうタイプだ。しかし、その中でも温度差がある。大野は、気持ちの部分から役作りをしていくタイプ。連続ドラマ初出演となった『魔王』(TBS系)では、復讐に燃える孤独な男・成瀬領役を好演。孤独な役どころを演じるにあたり、撮影の合間も一人でいることにこだわり、「孤独」を極めるという役作りをしたと話していた。その成果は絶大で、徐々に役に入り込み、最終的には自然に涙が溢れたというほどだ。2017年に公開予定の主演映画『忍びの国』では怠け者の忍者役ということで、これまでの役よりも大野との共通点は多そうだ。その分、役の気持ちも理解しやすく、より良い作品になるのではないだろうか。

 松本は、徹底的に与えられた役を再現しようとするタイプだ。『99.9 -刑事専門弁護士-』でも、実際の刑事弁護専門の弁護士に会い、裁判の違いや仕組みなどを勉強。さらには、見た目も役に近づけようとかなり細かなアイデア出しをしている。『99.9 -刑事専門弁護士-』を担当した瀬戸口克陽プロデューサーも「“0.1%にこだわる男"ってだれだろうと考えた時に、「いた!」と(笑)。彼(松本)はすごく細かいところがあって、番宣一つとっても一個一個こだわって積み上げていく。そんなリアルな松本さんの姿が今回の主人公にドンピシャだったので、迷わずオファーしました」(出典:マイナビニュース/松本潤主演『99.9』のドラマP「30代になった彼と『花男』のような代表作を」- 5度目タッグ作への思い)と評価をしている。2017年秋には、松本の主演映画『ナラタージュ』が公開される。繊細で難しい作品だが、こだわりに抜かれた松本の演技がどう活かされるか期待が高まる。

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