『ドクター・ストレンジ』をより楽しむ方法! 杉山すぴ豊が“マーベル次作に繋がる伏線”を解説

『ドクター・ストレンジ』裏設定に迫る

 面白いのは『エルム街の悪夢』のウェス・クレイブンや『パンズ・ラビリンス』のギレルモ・デル・トロの名前が監督候補として挙がっていました。今回の監督は、スコット・デリクソンというホラー畑の人(僕は彼の『エミリー・ローズ』という作品が好きです)。この人選からもわかるように『ドクター・ストレンジ』に期待するのは、“魔法使いが出てくるファンタジー”ではなく“オカルト系アクション”なのでしょう。

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 本作には確かに怖いというか悪夢のような描写もありますが、ユーモア(=これがマーベル映画の強み!)も忘れていないのです。ということでぜひ劇場で(出来れば3DとかIMAXで)魔法体験していただきたいのですが、一つだけ事前に知っておいた方がいい=恐らく多くの人が見逃す(聴き逃す)トリビアを。

 劇中、医者だったストレンジに“落雷の直撃を受けた女性患者”の話が舞い込みます。実はマーベル・コミックスには「ミス・アメリカ」というスーパーヒーローウーマンがいて彼女は落雷でスーパーパワーを得た、というキャラです。そしてマーベルはこの設定をブリー・ラーソンが出演する、マーベル・シネマティック・ユニバース初の女性ヒーロー映画『キャプテン・マーベル』に使うのではないかとも言われており、そこへの伏線なのかもしれません。

『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー』にストレンジの名前が出てくるシーン(=ヒドラ党の回し者だったシットウェルがインサイト計画について白状するシーン)もあったので、こういう次のヒーローの存在を匂わす手掛かりを見つけるのも、マーベル映画の楽しみなのです。

■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を「スクリーン」誌、「DVD&ブルーレイでーた」誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter:https://twitter.com/supisupisupi

■公開情報
『ドクター・ストレンジ』
公開中
監督:スコット・デリクソン
出演:ベネディクト・カンバーバッチ、ティルダ・スウィントン、レイチェル・マクアダムス、キウェテル・イジョフォー、マッツ・ミケルセン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
原題:「Doctor Strange」
(c)2017 MARVEL
公式サイト:Marvel-japan.jp/Dr-strange

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