関ジャニ∞丸山隆平の魅力は“二面性”にありーー舞台『マクベス』で見せた新境地

 だからこそ、単にマクベス王というキャラクターを台本通りに演じるだけではなく、丸山隆平という味付けがしっかりできているのだろう。例えば、冒頭のシーン。戦いが終わり、戦友であるバンクォーとじゃれあう姿や、ダンカン王に褒められて嬉しそうにしている笑顔などは、普段の丸山を彷彿させる。一方で、ダンカン王を暗殺する際、愛する妻に尻を叩かれるも、忠誠心や恐怖心が拭い切れない様子や、疑心暗鬼から暴政を働き、次々と罪を犯して狂気に落ちていく様子には、丸山自身が心の闇を開放している印象も受ける。丸山ほどの売れっ子アイドルともなれば、マクベスと同じように激しい重圧を感じ、ときには疑心暗鬼に陥ったこともあったかもしれない。その演技の行間には、彼がこれまで歩んできただろう、決して楽ではない道のりが見え隠れしているように思えるのだ。

 開幕に向けたコメントで、「マクベスの悲しき生きざまを、全身全霊で観客の皆さまに届けたいと思います。」(出典:シアターガイド/丸山隆平主演×鈴木裕美演出『マクベス』が上演決定)と語っていた丸山。“丸山のマクベス”は、しっかりと観客の心に届いているのではないだろうか。

(文=高橋梓)

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