『デッドプール』はなぜ日本でも大成功した? 独自のマーケティング手法を読み解く

宣伝から見る『デッドプール』の成功術

 インターネットにより、誰もが発信者になれる(個人も媒体たり得る)時代において、個人的体験であるエンタテインメント作品(映画・音楽・小説など)の情報(言い換えれば、期待)をどのように拡散させるか。本作では、作風を踏まえたまっとうなマーケティングと、細やかで奇抜な対策が功を奏していると言えるだろう。今後、そもそも知らないのにいきなり略称で現れるキャラクターや妙な一人称で語るキャラクターが出てくるかもしれない。たぶんそれは『デッドプール』の影響なのだろうが、しかし、かなりリスキーな戦略であろう。賛同してくれる人も多数いると思うが、“俺ちゃん”がサムいかサムくないかは、かなりきわどいセンだからだ。簡単に二匹目のどじょうは狙えない。かように、宣伝は難しいのである。

※フォロワー数は、すべて2016年6月12日執筆時現在

■昇大司
1975年生まれ。広告代理店にて、映像作品の企画などを行う。好きな映画は『アマデウス』『ラストエンペラー』『蜘蛛巣城』など。Twitter

■公開情報
『デッドプール』
TOHOシネマズ 日劇ほか全国公開中
監督:ティム・ミラー
出演:ライアン・レイノルズ、モリーナ・バッカリン、エド・スクライン、T.J.ミラー、ジーナ・カラーノ
配給:20世紀フォックス映画
(c)2016 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

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