「些細な瞬間が人生に勝る」パオロ・ソレンティーノ監督が語る『グランドフィナーレ』の制作意図

『グランドフィナーレ』監督インタビュー

フェリーニと比較されるのはとても光栄なこと

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(c)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS, FILM4

ーーこの作品では、親友であるフレッドとミック、親娘であるフレッドとレナの関係がストーリーの主軸として展開されていきますが、直接的には連動しないホテルの住人たちのストーリーも要所要所に散りばめられています。このような構成にした意図は?

ソレンティーノ:人生は小さな出来事や瞬間、出会いの流れと言えます。さらに人と人との関係は微妙な変化や陰で発展していきます。些細な瞬間が人生に勝る、それをこの映画の中で描きたかったのです。

ーー第88回アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされた楽曲「シンプルソング #3」は、映画の中でもとても大きな役割を果たしてます。監督自身、この楽曲に対してどのような思いを抱いていますか?

ソレンティーノ:デヴィッド・ラングは現代音楽の偉大な作曲家であり、『グレート・ビューティー』でも彼の曲を何曲か使いました。今回は主人公が作曲家ということもあり、彼のことがすぐ頭に浮かんだのです。「シンプルソング #3」は、主人公のフレッドが愛する女性のために書いた、心を打つ名曲だと思います。

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(c)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS, FILM4

ーーソレンティーノ監督の作品は、その映像美からフェデリコ・フェリーニと比較されることも少なくありません。そういった批評に対して、ご自身はどのように受け止めていますか?

ソレンティーノ:フェリーニは偉大な映画監督です。自分にとっても非常に大切な存在なので、彼と比較されるのはとても光栄なことだと感じています。

(文=宮川翔)

『グランドフィナーレ』予告編

■公開情報
『グランドフィナーレ』
4月16日(土)新宿バルト9、シネスイッチ銀座、Bunkamuraル・シネマ、シネ・リーブル池袋ほか全国順次ロードショー
監督:パオロ・ソレンティーノ
出演:マイケル・ケイン、ハーヴェイ・カイテル、レイチェル・ワイズ、ポール・ダノ、ジェーン・フォンダ
原題:YOUTH/2015/イタリア、フランス、スイス、イギリス/124分/カラー/シネスコ/5.1chデジタル
(c)2015 INDIGO FILM, BARBARY FILMS, PATHE PRODUCTION, FRANCE 2 CINEMA, NUMBER 9 FILMS, C - FILMS, FILM4
公式サイト:http://gaga.ne.jp/grandfinale/

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