『ちはやふる』、7位から4位に奇跡の上昇! 映画興行における口コミ効果を改めて考える

『ちはやふる』興収ランキング上昇の背景

 ちなみに、2週連続3位とランキングをキープしている『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』だが、今週本国アメリカで大きな話題となったのは、同作の2週目における興収の下落率だった。公開1週目に約1億6600万ドルという歴代7位となる圧倒的なオープニング成績を記録した『バットマン vs スーパーマン』だったが、2週目の興収は前週比30.9%と大暴落。その下落率は『ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2』、『ニュームーン/トワイライト・サーガ』、『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』に続く歴代ワースト4位と、こちらの方でも記録的な数字を残してしまった。本国での批評家の評判は芳しくなかったものの、原作やシリーズのファンが押し寄せて初週は爆発的なヒットとなった『バットマン vs スーパーマン』。しかし、2週目以降の成績には、批評や口コミが大きく影響したと見ていいだろう。

 言うまでもなく、大ヒットしている作品がいい作品だとは限らない。しかし、目を見張るようなロングヒットを記録したり、一回動員が下降した後にまた上昇するような作品には、それだけの理由があり、その原動力となっているのは昔も今も口コミの力なのだ。

■宇野維正
音楽・映画ジャーナリスト。「リアルサウンド映画部」主筆。「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「NAVI CARS」ほかで批評/コラム/対談を連載中。著書『1998年の宇多田ヒカル』(新潮新書)発売中。Twitter

■公開情報
『ちはやふる -上の句-』『ちはやふる –下の句-』
『上の句』公開中、『下の句』4月29日(金・祝)ロードショー
原作:末次由紀『ちはやふる』(講談社「BE・LOVE」連載)
監督・脚本:小泉徳宏
音楽:横山克
出演:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希、清水尋也、松岡茉優、松田美由紀、國村隼
(c)2016映画「ちはやふる」製作委員会 (c)末次由紀/講談社
公式サイト:http://www.chihayafuru-movie.com/

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