日テレドラマ3作品、異例コラボはなぜ実現できた? ドラマ評論家が背景を考察

「海外ドラマは独立した架空の世界観が完璧に確立されていて、その登場人物が別の作品に出演する際も世界観が共有されているケースが多いです。マーベル・シネマティック・ユニバースという世界観を共有しつつ、『スパイダーマン』や『アイアンマン』といった物語を作り出しているマーベル・スタジオなどは、その典型的なパターンでしょう。日本でいうと『機動戦士ガンダム』シリーズなどが、強固な世界観を確立していますね。一方で日本のテレビドラマの場合はタレントが主軸で世界観が漠然としているからこそ、比較的容易にコラボをしたり、楽屋オチに持って行ったりすることができる。これは面白い特徴でもあるので、たとえば一つの事件を三つのドラマで多角的に解決していくなど、より高度なコラボができると、新たな表現にもつながるかもしれません」

 今回コラボをする登場人物たちは、それぞれ特殊な能力も持ち合わせているため、その設定がほかの作品でどのように活かされるのかに着目すると、より日本のドラマの柔軟性を垣間見ることができるかもしれない。

(文=松下博夫)

■ドラマ情報
『ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜』
毎週水曜夜22時から放送中
出演:堀北真希、檀れい、知英、高梨臨、YOU、大地真央、佐野史郎、市川知宏、木本武宏、高橋惠子、DAIGO
脚本:徳永富彦
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/higanbana/

『怪盗 山猫』
毎週土曜日 夜9時から放送中
出演者:亀梨和也、成宮寛貴、広瀬すず、菜々緒、北村有起哉、大塚寧々、佐々木蔵之介
脚本:武藤将吾
原作:神永学「怪盗山猫シリーズ」
プロデューサー:福井雄太
製作著作:日本テレビ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/yamaneko/

『臨床犯罪学者 火村英生の推理』
日本テレビ 日曜22:30から放送中 
出演者:斎藤工、窪田正孝、優香、山本美月、長谷川京子、生瀬勝久、夏木マリ
公式サイト:http://www.ntv.co.jp/himura/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる