星渉、山口貴大、深田彩乃が推薦! 『金持ち父さん 貧乏父さん』が今なお「お金の教科書」として有益な理由

深田彩乃「女性が自立するためにも金融リテラシーが大切」

深田彩乃氏

 私が『金持ち父さん 貧乏父さん』を手に取ったのは、離婚して独り身になり、自分でお金を増やして自立した女性になろうと決意した頃でした。当時はほとんど投資に関する知識がなかったので、手当たり次第にいろんな本を読んでいたのですが、その中に『金持ち父さん 貧乏父さん』があったのです。私はさまざまな投資関連の本の中から、すべてに共通する法則を見出して活用しようと考えていて、『金持ち父さん 貧乏父さん』はその中でも本質的な考え方を示している本だと感じました。具体的なテクニックというよりも、これから投資をしていこうと考えている人に基礎的な知識を与えてくれる一冊なので、私が代表を務める投資スクールでもその考え方を引用したりしています。

 特に感銘を受けたのは「金持ちはお金のためには働かない」という考え方。お金の奴隷にならずに、経済的自由を手に入れるべきという考え方は、昨今の投資ブームの中では当然に思えるかもしれないけれど、当時はハッとさせられるものがありました。私も20代まではベンチャー企業の会社員だったので、家賃や食費など毎月の支払いをするために稼ぐという、いわゆるラットレースの状態から抜け出せずにいました。そういう状態が当然だと思い込んでいたし、だからこそ、そこから抜け出すという発想さえありませんでした。もっと早い時期にこの本と出会っていれば……と思わずにはいられません(笑)。

 もちろん、投資には少なからずリスクがあるものです。本書でも提唱されているような「勇気を出してリスクを取る」という考え方については、私は女性に向けて発信していることもあって、それが性分に合わない人もいるんだということは理解しています。だから、誰に対しても起業すべきだとか、どんどん投資すべきだとは薦めていません。ただ、例えば会社員として働きながら、あるいは専業主婦をしながら、無理のない範囲で投資をしたりすることはきっと誰でもできるし、そういう経験を積むことで、だんだんと見える景色が変わってきたりもします。大事なのは、まずは自分が持っている資産を活用していくことです。会社員であれば、その信用資産で不動産を買うこともできるし、若ければ積立投資でレバレッジをかけていくという方法も有効です。

 これからの時代、女性が自立して生きていくには、金融リテラシーを身につけることはより大切になっていくと思います。女性は特に、生涯を通してライフステージが変わっていきますよね。結婚や離婚もそうですし、出産や育児で仕事を休職しなければいけないこともあるでしょう。それによって、キャリアが大きく変わってくることもあるはずです。そういうときに『金持ち父さん 貧乏父さん』で言うところの「キャッシュフロー・クワドラント」などの考え方を知っていると、選択肢が増えるはずです。それは単に「ビジネスオーナーになろう」ということだけじゃなくて、たとえば現在は20代の「従業員」であれば、「投資家」としては時間資産と信用資産があるということに気付くきっかけになると思います。

 『金持ち父さん 貧乏父さん』は、お金がすべてだと伝える本ではないし、楽な儲け話が書いているわけではないです。金融リテラシーを高めること、学びが大切であることを伝える本です。最近は投資に興味を持つ女性も増えていますが、キラキラしたゴージャスな生活を送りたいというイメージばかりが先行し、その人にとっての本当に幸せや理想がわからないままに投資している方も増えている印象です。そして、キラキラした世界を餌に、人を騙そうとする方も残念ながらいらっしゃいます。そういう風潮に流されないためにも、まずは本書を手に取ってみてはいかがでしょうか。私もまた、上辺だけの華やかさだけではなく、女性が人生においてより良い選択肢を得られるような情報発信を心がけていきたいと考えています。

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■書籍情報
『改訂版 金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学』
著者:ロバート・キヨサキ
価格:1,760円
出版社:筑摩書房

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