AIが記事を書いている雑誌が登場 ライターの仕事は今後無くなってしまうのか


 今やAIがあらゆる分野に進出してきている。イラストレーションなどの芸術の分野は、これまでAIが扱うのは難しいとされていたが、そのクオリティーの向上は目覚ましいものがある。TwitterではAIに描かせたイラストが、一大ブームを巻き起こしている。そんなAIの活動領域が、ライターや編集者の仕事、すなわち原稿執筆にも及んでいるという。

 雑誌「スポーツ・イラストレイテッド」「メンズジャーナル」を発行するアメリカのアリーナ・グループは、記事の制作にAIを活用することを発表した。すでに、アメリカのバズフィードのように、一部の記事をAIに制作させているニュースメディアもある。今後は報道、出版の分野でもAIが担う仕事は、増加するものと思われる。

 では、AIはどのような記事を書いていくのか。プレスリリースを基に記事化していたニュースは、AIが作成するようになるだろう。まとめ記事もAIが得意と思われる。ネットから話題を探し出して、即座に記事化してくれるだろう。また、しばしコタツ記事と言われる、Twitterやテレビ番組をもとに記事化したニュースもAIが担うのではないか。

 対して、取材を丹念に行って執筆する原稿や、インタビューの仕事をAIが置き換えるのは困難と考えられる。チャットのような一問一答形式での取材なら可能かもしれないが、人物に密着して書き上げる取材記事は難しい。心を通わせなければ執筆ができないためである。アニメやSF小説に登場する、心を持つ人間型ロボットにAIが搭載されたら話は別かもしれないが、そこまでAIが進化するのは時間がかかるはずだ。

 しばし、「AIは人間の仕事を奪う」という論調で議論されることがある。確かに、一定数の仕事を置き換えるのは間違いない。一方で、AIの進出を歓迎する向きもあるのも事実だ。ベテランのイラストレーターがこう話していた。

 「今後、AIが本格的にCGのイラストの需要を置き換えてくれれば、手描きのイラストなど、職人技的な価値がどんどん高まっていくでしょう。私のような古いタイプのイラストレーターほど、かえって勝負できる可能性があります」

  これは今後、ライターの仕事においても同様のことが起きるに違いない。少なくとも棲み分けは進んでいくのではないか。AIができることはAIが、人間ができることは人間がやる。これがAI社会の基本になのだ。

 普及の過程でライターや編集者の淘汰が進む可能性はあるが、職人気質のライターの需要は減らないし、むしろ技術のある人ほど執筆依頼が増えるのではないか。そう考えると、AIの進出は業界にとっては悪いことばかりではないと考えられる。

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