NHK大河『どうする家康』で注目の徳川家康 大御所が描いた名作から影武者、野球監督まで……今読みたい漫画4選

    
 2023年のNHK大河ドラマ『どうする家康』。今川義元の人質として過ごした幼少期から混迷の戦国時代、豊臣秀吉の家臣時代、そして関ヶ原の戦いを経て江戸幕府を開き、天下を手に入れるまでの様子が描かれるようだ。

 徳川家康は日本の歴史を語るうえで、最も重要な人物の1人。内乱時代を終わらせたことを、評価する声も多い。そんな家康は漫画作品でも数多く登場している。

隆 慶一郎 ・原哲夫『影武者徳川家康』

 隆慶一郎原作の小説、『影武者徳川家康』。関ヶ原の戦いで家康が島左近の命を受けた忍びに殺害され、世良田二郎三郎元信という男が家康の影武者として生きていくストーリーだ。

 歴史フィクションとされているこの作品だが、「ありえる話」でもあるだけに、小説は人気作品に。1994年には『北斗の拳』など人気作品を多数世に送り出した原哲夫が作画を担当し、漫画化。さらに2014年には西田敏行主演でテレビドラマ化されたこともある。

 家康が実は殺されていて、江戸幕府の基礎を作ったのは影武者だったというストーリーは読みごたえがある。歴史好きにはたまらない作品といえよう。

山岡荘八・横山光輝『徳川家康』

 小説家・山岡荘八の代表作「徳川家康」。それまで「狸と呼ばれるほどずる賢い」という家康のイメージを「戦いのない世の中を作った人物」に一新させた作品と称される。

 そんな山岡荘八の作品を『鉄人28号』『魔法使いサリー』の作者として知られる大物漫画家・横山光輝が漫画化。家康の半生が克明かつ詳細に描かれている。とくにキャラクターたちの「台詞回し」は、作品の大きな魅力だ。

 家康の人生をもう一度確認したい人はもちろん、歴史の勉強にもなる『徳川家康』。小説が苦手な人には、特におすすめの漫画である。

山田芳裕『へうげもの』

 山田芳裕原作の漫画で長年『モーニング』に連載された『へうげもの』。織田信長と豊臣秀吉に仕えた古田織部を主人公に、茶道や美術など文化にもスポットライトを当てながら、戦国時代から江戸幕府の様子が描かれた。

 そのストーリーは非常に独自性が高く、本能寺の変では「ありそう」と思えるような展開を見せる。また、大坂の陣も豊臣秀頼生存説を採用し、読みごたえのある内容に。

 『へうげもの』でも、家康はキーパーソンとなっている。特に主人公である織部の最期と家康のやり取りは、読者の心に強いインパクトを与えた。

水島新司『ドカベン』

 水島新司原作の『ドカベン』。この作品にも徳川家康が登場する。明訓高校の初代監督で、「試合中ベンチで酒を飲む」「寝る」などユニークな行動を見せていた男が、徳川家康なのだ。

 徳川監督は山田太郎・殿馬一人・里中智・岩鬼正美の1年生を積極起用して明訓高校を甲子園優勝に導くと、社会人野球の監督に就任するという名目で退部する。その後、「明訓に勝つ」ことに執念を燃やし、対戦相手校の監督として山田たちを苦しめた。

 1年をかけて放送される『どうする家康』。大河ドラマを見る前に、漫画で半生を確認してみてはいかがだろう。

関連記事