新着MVランキング:LISA「SaWaDiKa」で打ち出す自らのアイデンティティ タイの伝統とポップスの融合
MV Chart Forcus
毎週更新される「YouTube Music Charts」ウィークリー ミュージック ビデオ ランキングより、MVをはじめとした音楽関連の新着動画から上位10作品/楽曲を取り上げ、ランキング化&レビューしていく連載「MV Chart Focus」。9月4日~9月10日のウィークリー新着のTOP10は以下の通り(※1)。
1位:LISA「SaWaDiKa」MV
2位:ACEes「P・A・R・A・D・O・X」from『ACEes Arena Tour 2026 “V”』
3位:M!LK「時空超えてユニバース」Official Audio
4位:LEE JISOO「MISMATCH」MV
5位:JISOO「CLICK」MV
6位:コメアニメ「エアロピクルス」from『YouTube Music Weekend 12.0』
7位:Snow Man「奇跡」Animated MV
8位:阿達慶/千井野空翔/竹村実悟/鍋田大成/田村海琉/久保廉/宮岡大愛/山岸想/善如寺來/田仲陽成/羽村仁成/松浦銀志/平田光寛/高橋奏琉/浅井乃我「アイドルになった日」from『ジュニア 夏祭り 2026』
9位:DECO*27「洗脳 feat. 初音ミク」MV
10位:King & Prince「So Honey」MV
今回取り上げるのはLISAの「SaWaDiKa」。BLACKPINKのメンバーとしても知られるラッパー/シンガーが10月にリリースするEP『PRESS PLAY』からのシングルカットだ。2016年のデビュー以来、K-POP市場のグローバル化を象徴するグループのひとつとして躍進してきたBLACKPINK。各メンバーはソロ活動にも注力しており、LISAも2021年にソロデビュー、昨年にはソロデビューアルバム『Alter Ego』をリリースしている。
楽曲タイトルについては、察しのつく人も多いだろう。LISAの出身国であるタイの言葉で「こんにちは」を意味する挨拶だ。自らのルーツを示すフレーズをフックに掲げ、MVの内容もファッションから舞台設定、振り付けまでタイの文化をリプレゼントしようという作品になっている。
リリックは基本的に英語だが、2ndヴァースには、首都バンコク、タイの通貨バーツ、「すごい」「よくやった」という意味の「ゲン・マーク」といったフレーズも畳みかけるように登場。タイの市街地ではおなじみの三輪自動車・トゥクトゥクもユーモラスなライミングに使われている。ランドマークからストリートまでバンコク各地で撮影されたMVには、ムエタイの選手たちやぎらつくデコレーションのトゥクトゥクも姿を現す。せっかくなら、リリックに登場するように、トゥクトゥクでドーナツターンを決めるシーンも見たかった気もする(実際には物理的に不可能なのかもしれないが)。ちなみに、場面のトランジションに何度か現れる星型凧も、「チュラ・カイト」と呼ばれるタイの伝統的な凧だという。
もっとも、楽曲にせよMVにせよ、ノベルティ的なキッチュさに寄っている割には、少しまとまりすぎているようにも思う。ダークなベースラインが牽引するビートからスクリューを思わせるローファイかつメロウな質感を通過し、さらに終盤ではジャージークラブのリズムパターンに入ってクライマックスを演出する。展開は多いのだが、その割にやや冗長な印象を受ける。フックの連呼がキャッチーさよりも単調さを呼んでいるのかもしれない。
いずれにせよ、これだけタイのルーツを打ち出したリードシングルから、どのような内容のEPに仕上がるのか、今後の展開にも注目したい。
※1:https://charts.youtube.com/charts/TopVideos/jp/weekly


























