VIBYが掴み取った“デビューショーケースで日本武道館”という偉業 40人から1万人へ――5人が体現する青春の歩み

VIBY、日本武道館までの歩み

 VIBYが8月31日、日本武道館でデビューショーケース『VIBY DEBUT SHOWCASE 「VIBY LAND」』を開催した。6月24日のCDデビューから、わずか約2カ月。会場に集まったTOMO(ファンの呼称)は1万人。そうした数字だけを見れば、規格外のスピードで駆け上がった新星の物語に映るかもしれない。しかし、そのステージから伝わってきたのは、決して成功に浮き足立つ姿ではなかった。武道館は、突然現れた栄光の場所ではない。自分たちの手で掴み取ったその場所を、また新たな原点にしようとする。そんな気概が感じられた。

『VIBY DEBUT SHOWCASE 「VIBY LAND」』

5人が旅を始めるまで

 VIBYは、IO(19歳)、RENKI(18歳)、AKITO(18歳)、RYOHA(17歳)、KOTARO(15歳)の全員10代の日本人メンバーからなる5人組だ。彼らを発掘したのは、BTSやTOMORROW X TOGETHERのメンバーを発掘、新人開発に携わってきたキム・ミジョン。そんな彼女が新たに立ち上げたレーベル「Rii.MJ」の第1弾アーティストがVIBYだ。

 キム・ミジョンは、北は北海道、南は沖縄まで全国を歩いて、原石を探したという(※1)。小さなアカデミーにも顔を出し、ときには地元の学生たちに聞き込みをして……。そうして見つけ出したのが、この5人だった。

 異なる場所で、それぞれの時間を生きてきた少年たちは、3年前の6月に彼女の言葉を信じて韓国へと渡った。もともとアーティストを目指していたメンバーもいれば、芸能にはまったく興味がなかったというメンバーも。それでも、約3年間にわたる練習生生活を送るなかで、5人はひとつの夢を追いかけるようになっていった。

 そんな彼らのビハインドストーリーは、ドキュメンタリー番組『VIBY 159 Road to 武道館』(ABEMA)でも追いかけることができる。発掘当時の5人の映像も公開されており、かつてのキム・ミジョンと同じ視線で見つめてみることができるのも、この番組ならではだ。

 VIBYというグループ名は“Voyage Into Bright Youth”(輝く青春の旅路)に由来している。ひとりのプロデューサーに見つけられたことから始まった5人の旅は、やがて、より多くの人に自分たちを見つけてもらう旅へと変わっていった。

VIBYが模索し続けた「見つけてもらう」接点

 2026年3月、Crystal Kayの「恋におちたら」のリメイクで、プレデビューを果たしたVIBY。デビュー前のグループが最初の一歩としてリメイク曲を選ぶのは、意外なアプローチにも感じられるかもしれない。しかし、多くの人が知るこの曲を歌うことで、野外ライブでも人々が足を止め、ともに歌った。曲を知っているからこそ、その先にある初々しい5人の声や個性へ意識を向けることができる。「恋におちたら」は、より多くの人にVIBYを見つけてもらうための、大切な入口となった。

VIBY '恋におちたら' MV

 つづく4月の「Mi*light」では、いよいよ彼ら自身の物語が動き始める。別々の光が集まり、ひとつの“最初の光”になるという彼らのデビューまでの軌跡を描いた曲だ。5人が出会い、仲間と一緒だからこそ強くなれた。リメイク曲で扉を開いた彼らが、今度は自分たちの歩みを音楽に託す。

VIBY 'Mi*light' MV

 さらに、5月の「HANAMARU」では、そのまなざしが聴き手へと広がっていく。うまくいく日も、そうでない日も、自分自身に〈花まる〉をあげてほしい。そんな肯定を疾走感あるダンスチューンに乗せる。

VIBY 'HANAMARU' MV

 「恋におちたら」で出会うきっかけを作り、「Mi*light」で自分たちを語り、「HANAMARU」で聴き手へと手を伸ばす。そこには、VIBYが少しずつ誰かとの距離を縮めていくような流れが感じられた。この3曲を収めた1st CDシングル『Miracle : The First Light』で6月24日に正式デビュー。8月には、TOMOとの出会いを“奇跡”として歌うファンソング「Gotcha (ガチャ)」も発表され、彼らの物語には、見つけてくれた人々の存在がより明確に加わっていった。

VIBY 'Gotcha (ガチャ)' MV

 その接点は、音楽にとどまらない。高校生向けプロテインブランド「AIZU」やReebokのアンバサダーなど多くの企業やブランドの広告に起用され、さらにデビュー直前には美容誌『美的』7月号増刊 SPECIAL EDITION(小学館)の表紙も飾った。どこから出会ってもいい。まず知ってもらうこと、そして、そこから5人自身に興味を持ってもらうこと。その入口を、彼らはこのデビューショーケースの準備と並行して着実に増やしてきたのだ。

40人から1万人へ――出会いを重ね、旅は続く

 華やかな露出が増えていく一方、VIBYはステージでも地道に観客と向き合ってきた。しかし、現実はかなりシビアだった。初の路上ライブで足を止めたのは約40人。キム・ミジョンからは、メンバー自身が構成やセットリストを考える“セルフライブ”という課題も与えられた。それは、与えられたステージに立つだけでなく、どんなステージなら自分たちらしさを表現できるのかを、5人自身で考えるための機会でもあった。

 セルフライブには約800人が集まり、その勢いのまま次のライブでは1000人を目標にするも、およそ500人という結果に焦りを感じたこともあった。次のひとりに知ってもらうことの難しさ。そのひとりに足を運んでもらうことの大変さ。5人はセルフライブに向き合う過程で身をもって知ってきたのだ。だからこそ、あらためて1万人という観客を集めた武道館で印象に残ったのは、この大舞台に立つことを当たり前だと思わない姿勢だった。

 もちろん、彼らの大きな武器のひとつは、5人で磨き上げてきたパフォーマンスだ。ジャンプするタイミングだけでなく、着地や空中にいる時間まで揃った動きは圧巻だ。だが、ライブを重ねるたびに、それだけでは足りないと5人で話し合ってきた。ファンとコミュニケーションをとること。感謝を伝えること。そして、何よりも楽しませること。その思いを武道館の隅々へ届けるように、大きく腕を広げて踊る姿には、現在の実力と、これからさらに伸びていく余白の両方があった。

 ワクワクしたのは、この武道館が、これまでVIBYを知っていた人が集まる場所であると同時に、その姿がメディアやSNSを通じて広がり、新たな誰かに見つけられる場所にもなったこと。

 公演の模様はTV、新聞、WEBなど各種メディアで多数報じられ、“VIBY”の名前を武道館に集まった1万人のTOMOの姿とともに、これまで以上に多くの方が目にすることになった。「生で見たら絶対ファンになりますね」とドキュメンタリーで、ライブを観たTOMOのひとりが語っていたように、5人のあまりにもまっすぐな思いが、そのまま観客の心を動かしていく。自分もこの“輝く青春の旅路”という物語の一員になっている。そんな感覚を抱かせる力が、今のVIBYにはあるのだ。

『VIBY DEBUT SHOWCASE 「VIBY LAND」』

 SNSでは、5人のピュアな感情に心が熱くなり、会場で隣の席の人と“おTOMOだち”になったというポストも見受けられた。ほかにも、人生で初めて武道館へ足を運んだ人や、推し活をスタートさせた人など、VIBYとの出会いがTOMO自身の新しい経験や出会いにもつながっている。

「見つけてくれてありがとうございます」

 武道館で響いたその言葉は、ここまでの旅のなかで出会ってきた、一人ひとりへ向けた言葉にも聞こえた。キム・ミジョンが5人を見つけたことから始まったこの旅は、1万人の武道館がゴールではない。むしろ、この景色から、VIBYはこれからもっと、もっと多くの人に見つかっていくのだと思う。

 その先に待つ景色もまた、VIBYだけで作るものではない。これから出会う新たなTOMOも含め、一人ひとりが灯す光によって、少しずつ形づくられていく。直近では、9月13日に韓国にてフリーライブ『VIBY SEOUL BUSKING EVENT』を開催するVIBY。彼らにとって初めての韓国イベントであり、また新たな挑戦の始まりだ。VIBYとTOMOの歩みが、これからどんな未来へ続いていくのか。今はただ、楽しみで仕方ない。

※1:https://realsound.jp/2026/03/post-2323274.html

■公演情報
フリーライブ『VIBY SEOUL BUSKING EVENT』
日時:2026年9月13日(日)14:00(KST)
場所:マンウォン漢江公園 チョロッキル広場

■関連リンク
公式サイト:https://viby-official.com/profile/
X:https://x.com/Official_VIBY
Instagram:https://www.instagram.com/official_viby/
TikTok:https://www.tiktok.com/@official_viby
YouTube:https://www.youtube.com/@Official_VIBY

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