BTSが広い世界で愛され続ける理由 ARMYとともに祝った13周年、釜山での再会……『‘ARIRANG’ IN BUSAN』レポ

BTSが6月12日、13日と、韓国・釜山アジアド主競技場で『BTS WORLD TOUR ‘ARIRANG’ IN BUSAN』を開催。デビュー記念日でもある6月13日には、80以上の国と地域でライブビューイングが行われ、世界中のARMY(ファンの呼称)と13周年を祝う特別な夜をともにした。
そう、世界中に愛される存在となったBTS。現在もワールドツアーで各地でパフォーマンスを披露している。見知らぬ土地に歩みを進めるほどに、「自分たちとは何者なのか」とルーツに立ち戻らずにはいられなくなる。
ちょうど彼らは韓国に生まれた男性としての義務を果たしてきたばかり。そして4年前、7人が揃って兵役義務前に行った最後のライブの場所が、ここ釜山だった。

釜山出身のJiminとJung Kookは、学校やダンスの恩師、そして母親が会場に駆けつけてくれたことを明かす。自分たちを生み、育ててくれた土地、人、そして音楽に囲まれながら、彼らは今、どんな大人になったのかという姿を見せてくれるようだった。
自分たちはどこからきて、一体何者なのか。それを形にしながら、ここから始まる新章へ進んでいく覚悟を見せたアルバム『ARIRANG』。韓国人の心の歌とも呼べる民謡「アリラン」を題した今回のステージでは、演出にも5色布や太極旗を思わせるパフォーマンスが取り入れられていた。


「Hooligan」「Aliens」と次々に披露される成熟したパフォーマンスに、“世界のBTS”を感じずにはいられない。洗練されたビジュアル。多くのダンサーを率いての圧倒的なオーラ。だが一方で、儚げで、生身の人間ならではの、削ぎ落とされたものが色気として届く。泳ぐように踊る「SWIM」は、彼らを取り巻く大きな流れに対して抗うのではなく、波に乗っていく姿に見えた。
「みんな30代になって丸くなった」と話していたのは、公演前の6月11日に公開されたYouTube動画「BTS会食 2.0」での一幕だ。ツアー中の過ごし方も、それぞれが有意義に過ごせる余裕も出てきた。メンバー間で衝突することもほとんどない。それくらい、彼らは長い時間をともに過ごし、多くのことを経験してきた。だが、そうして一人ひとりの成長を実感しながらも、やっぱり「チームになると昔の自分に戻った気がする」「まだまだ勢いがある」と笑い合う場面も。


その言葉を地で行くように「FYA」「Burning Up (FIRE)」にかけて、大いに弾ける7人。RMとJiminが花道を走り出し、Jinは水を思いっきりカメラにかけて大笑い。叫ぶVに、体が動くままに踊るj-hope。その暴れっぷりに、曲が終わるやいなや息を切らせて、Jung Kookが思わず笑ってしまう。さらに、SUGAがARMYを煽り「Body to Body」、さらにステージを降りて場内を練り歩く凱旋パレードのような「IDOL」へと展開していった。
広い世界へと羽ばたくBTSを誇らしく感じながら、そんな無邪気な姿に「待ってました」とも思える。それが13周年を祝うARMYたちの本音だろう。大人になって変わっていく部分と、ずっと変わらないでいてくれる部分。それをデビュー記念日という“誕生日”に、あらためて再確認できたように思う。



13年前に比べて、BTSを取り巻く環境もK-POP業界そのものも、大きく変化した。そのなかで、アーティストが考えていくべき内容もものすごいスピードで変わっていった。だからこそ、RMのもとには後輩アーティストから「どうやって長くチームを維持できるんですか?」という相談が寄せられるとも。その問いに「正直、よくわかりません」とRMは語る。そして、ただメンバーと見守ってくれている人たちを信じてきたのだ、と。もちろん、その影響力が大きくなっていくにつれて、率直な感情を明かすことは難しい場面も出てきた。それでも、「どこにいても、どんな姿でも、常に全力で、自分たち自身をありのままに見せられるように努力します」と約束した。

「♪생일 축하합니다」(センイルチュッカハムニダ/「お誕生日おめでとうございます」の意)と家族の誕生日会のようにみんなで歌ったり、世界的にヒットした「Butter」や「Dynamite」をここでしか見られないおふざけも入れながら披露したり。かと思えば、再会への思いを綴った新たなファンソング「Come Over」ではARMYの心のドアをノックし、「Magic Shop」をサプライズで披露して、再びともに歩んでいく決意を見せたり。惜しみなく感謝を伝え、愛情表現をしていく。そのどれもが“ありのまま”のBTSなのだ。
世界を巡り、韓国人としての義務を果たし、再び故郷へ帰ってきた7人。
大人になって変わった部分もある。それでも、ステージに立てば13年前と変わらない無邪気さで笑い合う。BTSが愛され続ける理由は、その両方を失わないところにあるのかもしれない。そんな7人の歩みが、またここから始まるのだと思うと楽しみで仕方がない。



























