M!LK、空前ヒットの裏に隠された伏線回収 “壮大な愛”のさらなる最大化=「時空超えてユニバース」
M!LKが9月16日に1stミニアルバム『LOVE ENG!NE』をリリースする。そのリード曲として9月7日に先行配信されたのが「時空超えてユニバース」だ。「好きすぎて滅!」「爆裂愛してる」と続いてきた、“愛”をテーマにした3部作の完結編にあたる。
2025年にリリースされた「イイじゃん」のヒットをきっかけに、幅広い層へと存在感を広げたM!LKは、その後に「好きすぎて滅!」「爆裂愛してる」、そして「時空超えてユニバース」と、立て続けに“愛”をテーマにした楽曲を発表してきた。振り切った言葉選びやポジティブなムードも含め、この“愛”というテーマは、現在のM!LKのイメージをより鮮明にしてきた題材でもある。その一方で、同じ“愛”というテーマを引き継ぎながら、それぞれ異なる方向から描いているのも3曲の特徴だ。
その1曲目となる「好きすぎて滅!」は、2025年10月に配信リリースされた楽曲。相手のことを好きで仕方がない、その気持ちを真正面から歌ったラブソングだ。笑顔を見るだけでうれしくなり、相手の存在そのものを慈しみ、最後には永遠まで誓おうとする。コミカルな言葉遣いや勢いのある表現が並ぶ一方で、楽曲の根底にあるのは、驚くほど一途な思い。その一途な思いを際立たせるのが、随所に散りばめられた大胆な言葉選びだ。宇宙や膨大な人数といったモチーフを通して、数えきれない人の中で〈キミ〉と出会えたことを特別なものとして描いていく。タイトルにある“滅”という言葉も含め、ひとりへの愛をここまで大きく描き切る振り切り方が印象的だった。
2曲目の「爆裂愛してる」では、スマートフォンに届くハートの通知という身近な場面から始まりながら、歌詞では恋愛だけに限らない、さまざまな愛のあり方を肯定。白か黒かでは割り切れない価値観にも目を向け、やがて〈LOVE〉と〈PEACE〉を結びつけていく。「好きすぎて滅!」でひとりの相手へ向けられていた思いが、より多くの人へと開かれていくような一曲だ。
なかでも、後に続く「時空超えてユニバース」を考えるうえで重要なのが、〈愛は奪い合うものじゃなく/みんなで積み重ねるもの/それは山となり 空と海を分かち/時空も超えるよ〉というフレーズだ。「爆裂愛してる」だけを聴けば、愛の大きさを示すひとつの表現として受け取れるが、その次に発表された楽曲のタイトルが「時空超えてユニバース」であることを考えれば、3部作をつなぐ言葉としても聴こえてくる。ヒットの裏で壮大な伏線回収をしていた、というわけだ。
そして、3部作の完結編としてリリースされたのが「時空超えてユニバース」である。作詞は「好きすぎて滅!」も手掛けたMUTEKI DEAD SNAKE、作編曲は3曲すべてを担当している浅野尚志。〈無限D愛〉という言葉から始まり〈大気圏〉〈星座〉〈地球〉といったモチーフが次々と登場するなど、3曲のなかでもそのスケールは最大と言っていい。
ただ、ここで歌われる“愛”は、やはり誰かひとりに向けた恋愛感情だけを指しているわけではない。買い置きしているアイスやお気に入り作品の次回予告といった何気ない楽しみまでが、明日を迎える理由として並べられている。つまり「時空超えてユニバース」が描くのは、特別な誰かを思う愛だけではなく、自分が何かを好きでいるという気持ちそのものだ。
そこから愛が集中力や行動力、生命力へとつながり、最後には〈愛こそが原動力〉と歌う。ミニアルバムのタイトル『LOVE ENG!NE』とも重なるように、“愛3部作”の最後で示されたのは、好きなものがあること自体が人を明日へ進ませる力になるというメッセージだ。誰かを強く思う気持ちから始まった愛の物語が、最後には日々を生きる一人ひとりの感覚へと着地する。その広がり方に説得力が生まれているのは、M!LKがここまで一貫して“愛”を歌い続けてきたからなのだろう。
「時空超えてユニバース」では、サウンドの面でもこれまでの流れが引き継がれている。終盤では、2026年春から推し進められてきた「モー烈モー進!リリースプロジェクト2026」で発表された「真・運命」「しおざきわんだーらんど」「罪と罰と雨とキス」を思わせるアレンジが施されており、配信直後からファンのあいだでも話題となった。連続リリースを追ってきたファンにとっては、思わず頬が緩むような嬉しい仕掛けだ。
こうして3曲を通して“愛”をさまざまな角度から描いてきたことは、現在のM!LKを印象づけるひとつの要素になっている。時に大げさなほどの言葉を使いながら、それをユーモアやキャッチーなサウンドに乗せて、軽やかに届ける。さらに、楽曲を重ねるごとに“愛”の意味を広げながら、3曲をひと続きの物語のように展開してきたことで、「とにかく大きな愛を歌うM!LK」というイメージもより鮮明になっただろう。9月18日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で同曲がどのようにしてパフォーマンスされるのかも、楽しみだ。
“愛3部作”がひとつの区切りを迎えた今、この先M!LKがどんなテーマを、どんな言葉で歌っていくのかも気になるところだ。ヒットを重ねながら独自のカラーをより濃くしてきた彼らの次なる一手にも期待したい。



























