CUTIE STREET、抱きしめた“宝物”と夢の日本武道館 〈君が楽しそうなだけで私は幸せなんだよ〉共通する感情で描いた景色

日本武道館。それはアイドルの聖地と呼ばれる、夢の舞台だ。CUTIE STREETにとっては結成当初から目標にしていた場所であり、“道”という漢字が入ったある種、縁のある会場でもあるだろう。この先、9月からアリーナツアーを控えるCUTIE STREETにとっては満を持しての武道館公演であり、そこでメンバー8人が示したのは、この2年間で出会えたきゅーてすとという“宝物”への感謝と愛、そして、この先も一緒に歩んでいくピカピカな未来だった。
ライブはCUTIE STREETがこれまでに発表した全27曲を含む、のべ29曲を約2時間半でほぼノンストップにて駆け抜けていく濃密でタフな内容だ。1曲目を飾るのは「キュートなキューたい」。CUTIE STREET楽曲の特徴とも言えるメンバーの忙しない歌割りと個々のダンスに加え、〈Pick up!〉のキュートなフレーズやみんなでクルクル、ユラユラ揺れる振り付け、アニソンとしてまっすぐなメロディに〈ずっと描いた夢の前で〉といった武道館でのライブに相応しいフレーズが乗ることで、冒頭からクライマックスと思わせるような感動と一体感をもたらしてくれる。








古澤里紗が喋り出したのを合図に「かわいいだけじゃだめですか?」へ。最近では佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)が30歳記念ソング「30 STREET!!!」のなかで、〈一生アイドルじゃ だめですか?〉とオマージュするほどに、“アイドルオブアイドル”も認めるアイドルソングとして高い評価を受けている。2番Aメロの歌い出しに〈本当はかわいいだけじゃないのです!〉というフレーズがあるが、実はCUTIE STREETはかわいいだけじゃない、というのはまだ世間にあまり知られていないグループの余白でもあるだろう。



昨年10月12日、13日にぴあアリーナMMで開催された1周年記念の全国ツアーファイナル『CUTIE STREET 1st ANNIVERSARY JAPAN TOUR 2025「CAN'T STOP CUTIE」』でも、グループのいわゆるかっこいい姿は、特効の火柱が立つ「解」「チョットヒトサジ」といった楽曲で表現されていたが、そこから1年が経ち、CUTIE STREETは今年6月に「ホメマクリズム」をリリース。全ての人を〈イイね!〉と肯定するマッチョなラップソングであり、真鍋と板倉可奈がイケ散らかす姿から、これまでとは毛色が異なるトンチキソングであることを実感させた。ちーむすとりーと(佐野、板倉、増田彩乃、真鍋、桜庭)によるユニット曲「Crush on you」もかっこいいブロックで披露された内の1曲。特に桜庭のクールな表情とバキバキのダンスに驚かされながら、ダンストラック後に見せた一瞬での衣装の早替え、“変身”も、会場に歓声が沸き起こるかっこよさ、風格を一人ひとりが持ち合わせていた。一方で、ちーむきゅーてぃー(古澤、川本、梅田みゆ)のユニット曲「I Amai Me Mind」では甘くとろけるようなかわいさを、異国情緒漂うアジアンムードの「ナイスだね」では少し大人っぽい艶やかさを演出。ライブを通して2年間を振り返っていくことで、CUTIE STREETがさまざまな表情を手に入れてきたことにあらためて気づかされる。


また、「ゆめみるプリマドンナ」から「ひたむきシンデレラ!」へのシームレスな繋ぎは武道館をどよめかせるCUTIE STREETとしての新たな趣向だった。そして、本編ラストを飾った「Shooting Star」「ハロハロミライ」の流れは今回のライブにおけるハイライト。8人が円陣を組み未来を誓った「Shooting Star」から、「ハロハロミライ」では〈やっとここで出会えたんだよ/みんな一緒に描いていこう〉ときゅーてすとと歌い合い、8人が未来に向かっていくように手を重ね合う。


今回の『8 TREASURES』はメンバーそれぞれが2年間で手に入れてきた大切な思い出=“宝物”を抱きしめながら、8面体のステージを“東南西北(とんなんしゃーぺー)”360度囲んだきゅーてすとへの感謝を届けるライブ。初めてのテレビ歌唱も、憧れの夏フェス出演も、学校へのサプライズ登場も、自己紹介ソングも、8人でのCM出演も、『日本レコード大賞』最優秀新人賞を逃し悔し涙を流したあの日のステージも、8人にとっては全てが今のCUTIE STREETを形成する大切な“宝物”だ。そんなメンバーの思いを詰め込んだ2周年ソング「TREASURES」、そして〈君が楽しそうなだけで私は幸せなんだよ〉というCUTIE STREETからきゅーてすとへ、きゅーてすとからCUTIE STREETへの思いが歌われた「Top of the top」、新曲の2曲を初披露。「Top of the top」では「T・O・P!」というコールとともに最高の景色が武道館に広がっていた。

開演前の囲み取材で、仲の良さだけは変わらずに、むしろヒートアップしていると話が盛り上がる一幕があった。真鍋のクラウチングスタートが決まった「キューにストップできません!」内での“だるまさんがころんだ”で8人がわちゃわちゃ楽しそうにしている様子に、会見でのやり取りを思い出した。そして、本編終盤のMCにて、活動するなかで見つけた思い出=“宝物”とともに、「私たちが見つけたいちばんの“宝物”はきゅーてすとのみんなです!」と涙で声を詰まらせる川本のもとに、ほかメンバーが弧を描くようにして集まっていく様子を見て、家族のような安心感と絆を感じずにはいられなかった。
CUTIE STREETにはまだまだ叶えたい夢がたくさんある。昨年、手が届かなかった『NHK紅白歌合戦』への初出場。初のアリーナツアー『CUTIE STREET JAPAN ARENA TOUR 2026 -AUTUMN-「CUTIE LAND」』の先に続いている、東京ドーム――。筆者が今回の武道館公演を観ていて驚いたのは、得も言われぬ余裕と貫禄。昨年のぴあアリーナMMでのライブでも、まだまだ上を目指せると言わんばかりの余裕を感じたが、この1年で数えきれないほどのステージを重ねることでさらなる存在感とオーラを放っているように思えた。
CUTIE STREETは“世界を変える30歳未満”を30人選出する「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2026」に“アイドルグループ”として唯一の受賞を果たし、KAWAII LAB.、ひいては日本のアイドルグループとしても特異な立ち位置にいる。囲み取材でも話題に挙がっていたが、韓国での音楽番組出演やバイラルチャートへのランクイン、2027年1月には5000人規模の会場でソウル公演が控えており、すでにアジア進出も顕著に表れている。
〈どんなところでも行けちゃいそう!/どんな夢でも叶えられそう!〉。そう思わせる勢いと実力が今のCUTIE STREETにはある。CUTIE STREETは、まだまだ道半ばだ。



























