BE:FIRST、SOTA×ReiNaの振り付けがもたらす音の可視化 「WATCH ME」「Masterplan」「Mainstream」に見る緻密な設計

 BE:FIRSTにとって初のグローバルEPとなる『WATCH ME』より、表題曲「WATCH ME feat. BIA」のMVが9月18日に、Dance Practice映像が9月21日に公開された。今回振り付けを手がけたのは、メンバーのSOTAとダンサー・コレオグラファーのReiNa。このコンビは「Mainstream」、「Masterplan」でも振り付けを担当しており、BE:FIRSTのコレオグラフィにおいてすでにお馴染みの組み合わせとなっている。そこでこの3曲を改めて振り返りながら、SOTA×ReiNaのコレオグラフィに通じる魅力と、それぞれのアプローチの違いを見ていきたい。

BE:FIRST / WATCH ME feat. BIA -Music Video-

 まず「WATCH ME feat. BIA」で印象的なのは、ビートだけでなく歌やラップのフレーズまで細かく動きに落とし込んでいる点だ。鳴り物の一音まで拾ったり、ラップのフロウに合わせて細かく振りを入れたりと、音楽そのものを可視化するようなアプローチがいたる所に見られる。一方で、メンバーそれぞれが異なる動きをするフリースタイル的なパートもあり、全員が同じ動きをすることだけを“揃える”としていないのも特徴的だ。それでも、動きを止めるタイミングやムーブの質感が揃っているため、一つのグルーヴとして成立している。

 また、全員が固まってユニゾンするパート、二手に分かれて踊るパートなど、フォーメーションも複雑に変化。さらに、「WATCH ME」を表す振りを組み込む遊び心があったり、がむしゃらに踊るパートを抑えることでこれまでとは少し異なるアンニュイなムードをまとっていたりと、見どころがたっぷり詰まったパフォーマンスに仕上がっている。

BE:FIRST / WATCH ME feat. BIA -Dance Practice-

 MVでは、振り付けを明確に見せるというより、ヒットでリズムを取りながらグルーヴやニュアンスを見せる場面が中心。その分、アウトロではしっかり踊り込むことで、全体に緩急をつけている。この緩急は「Mainstream」にも通ずる。派手な動きを抑えたパートから一気に躍り込むパートへ、全員で揃える場面からそれぞれのスタイルを見せる場面へと展開され、異なる表現の対比を楽しめる構成が印象的だ。さらに、「ここの音を採るのか」という発見がある細かな振りや、目まぐるしく変化するフォーメーションも見どころだろう。音の拾い方と構成の複雑さによって、何度見ても新たな発見が生まれるコレオグラフィと言えそうだ。

BE:FIRST / Mainstream -Dance Performance-

 そして、「Masterplan」もまたフォーメーションを効果的に使いながら、緩急をつけてパフォーマンスを作り上げている。特に印象的なのが、サビで一気に爆発させるのではなく、その前にあえて動きを抑えたパートを置いていること。抑制された時間があるからこそ、その後の盛り上がりがより際立っているのだ。一方で、その“抑え”の部分にも高度な振りが詰め込まれているのは言うまでもない。

BE:FIRST / Masterplan -Dance Practice-

 こうして3曲を並べると、共通するのは「どこで何を見せるのか」を細かく設計していることだ。ユニゾンや激しく踊るパートの前に、ニュアンスを活かした“溜め”を置くことで、その後の展開を際立たせる。揃える場面でも全員が同じ動きをするだけでなく、止まるタイミングと動き出すタイミングを揃えることでシンクロ感を生み出す。歌っているメンバーを目立たせるためにセンターに配置する、その人だけが動く、その人だけが異なる動きをするなど、視線を自然に誘導する工夫をする。これらすべては、見せたいものを効果的に見せるための動きだ。つまり、SOTAとReiNaの振り付けが加わることで、楽曲で伝えたいことを目で見て受け取れるようになっているのではないだろうか。

 そう考えると、3曲のアプローチには明確な違いがある。「Mainstream」が音の細部と個々のスタイルを行き来することで楽曲の情報量を増やし、「Masterplan」が抑制と爆発のコントラストで楽曲のドラマ性を引き出したのに対し、「WATCH ME feat. BIA」はグルーヴやニュアンスを前面に出し、よりアンニュイな質感へと振り切っている。SOTAとReiNaの振り付けには、曲ごとに異なる表情を引き出しながらも、音の解釈、緩急、フォーメーション、そしてメンバーそれぞれを活かす設計という軸があると言えそうだ。そして、その一貫性こそが、2人のタッグによるコレオグラフィの面白さなのではないだろうか。「WATCH ME feat. BIA」はもちろん、SOTA×ReiNaの次回作も楽しみに待ちたい。

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