嵐も歩んだ国民的グループへの道? 吉田仁人、山中柔太朗、塩﨑太智……M!LKメンバーの相次ぐドラマ出演が示す“サイン”

 今秋、テレビのドラマ枠にM!LKのメンバーが並んでいる。

 今夏クールでは、佐野勇斗が『君の好きは無敵』(TBS系)で存在感を放ったばかりのM!LK。それに続く形で秋クールでは、吉田仁人が『溺愛 〜 実は、最強ヒーロー 〜』(TOKYO MXほか)で連続ドラマ初主演を飾り、山中柔太朗が『いろはの恋は時代をかける』(TBS系)でゴールデンプライム帯連続ドラマ初レギュラーに名を連ね、塩﨑太智が『もうパパ!』(ABCテレビ/テレビ朝日系)に出演する。メンバー5人中3人が、それぞれ異なる作品に、それぞれ異なる形で起用されている。これは偶然ではない。M!LKが今、確実に“何か”を変えつつある証明だ。

 あらためて、この4人が持っている俳優としての個性を確認しておきたい。

 佐野は、グループのなかで最もキャリアが蓄積された俳優だ。2016年『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系)で注目を集めると、映画『ちはやふる -結び-』で『第28回日本映画批評家大賞』で「新人男優賞」(南俊子賞)を受賞。その後、『ドラゴン桜』(TBS系)、『TOKYO MER』(TBS系)、『トリリオンゲーム』(TBS系)、『おむすび』(NHK総合)などの話題ドラマ作品に次々と起用された。昨年放送されたドラマ『ESCAPE それは誘拐のはずだった』(日本テレビ系)では、ゴールデンプライム帯連続ドラマで初主演を務め上げた。今夏の『君の好きは無敵』では、複雑な感情を持ったキャラクター・瀬尾深月を繊細に演じた。感情の揺れを大げさになることなく、しかしたしかな温度感をもってリアルに体現。その演技は、グループのなかで俳優として先陣を切ってきた者の経験から生まれているのだ。

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 連続ドラマ初主演となる吉田が挑む『溺愛 〜 実は、最強ヒーロー 〜』は、シリーズ累計3400万ダウンロードを誇るコミックの実写化。彼が演じるのは、一途にヒロインを守り続けるハイスペックな年下男子・藤崎真白だ。情報解禁から1日で関連ワードがXのトレンドを席巻し、YouTubeのインタビュー動画が25万回再生を突破したことも、彼への期待の大きさを物語っているだろう。ソロの音楽活動も目覚ましい彼が、本格的なアクションシーンにも挑む今作で、吉田仁人という俳優の新しい可能性が開いていく。

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 山中は、2025年以降、映画3本、テレビドラマ6作に出演。配信ドラマ『人間標本』(Prime Video)では、繊細な表現力で高い評価を受けた。今秋クールの『いろはの恋は時代をかける』への出演は、彼自身が「GP帯ドラマの初レギュラーは一つの目標だった」(※1)と語るように、長年のキャリアの積み重ねの末に掴んだ一歩だ。上白石萌音が主演を務める本作で山中が演じるのは、ヒロインと同じ小学校で働く熱血教師・真島玲二。合理的でプライドが高いが、心の奥底には教育への熱意や児童たちへの愛情を秘めている新米教師という“メンタルが強い”と評されるそのキャラクターを山中がどのようにして演じるのか、楽しみだ。

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 塩﨑が出演する『もうパパ!』は、連続テレビ小説『虎に翼』(NHK総合)の脚本家・吉田恵里香が手がける完全オリジナル作品。SNS社会の光と影を描くヒューマンファミリードラマだ。塩﨑が演じるのは、主人公の味方となる人気動画配信者“シュンマックス”こと佐々木俊也。重厚な俳優陣と同じ画面に立ちながら、ハイテンションで軽快なキャラクターを体現するためには、たしかなセンスと身体能力が必要だろう。それを担えると判断されたという事実が、彼の可能性の広さを示していると思う。曽野舜太も、昨年『低体温男子になつかれました。』(TOKYO MXほか)でドラマ初主演を果たしたばかり。舞台やバラエティを含む個人活動の幅は着実に広がっており、彼のさらなる扉が開く日も遠くないはずだ。

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 こうしたメンバーの俳優としての活躍を支えているのが、グループとしての勢いだ。2025年にリリースされた楽曲「イイじゃん」はSNS総再生数27億回を突破し、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への初出場を果たした。同年10月にリリースされた「好きすぎて滅!」は、SNS総再生数30億回、ストリーミング累計再生数1億回を突破。TikTokを源とするヒットが連続し、10代、20代を中心に爆発的なファン層の拡大をもたらした。グループとしての認知度が上がれば、メンバー個人への映像作品からのオファーも増える。その相乗効果が、今秋のドラマ出演3作同時進行という異例の状況を生み出している。

M!LK - イイじゃん(Official Music Video) 【第76回NHK紅白歌合戦歌唱曲】
M!LK - 好きすぎて滅!(Official Music Video)

 ここで思い出さずにはいられないのが、嵐の歩みだ。嵐もまた、2000年代を通じてメンバー5人がそれぞれにドラマで活躍し続けることで、ファン層を広げていった。松本潤が『花より男子』シリーズ(TBS系)で爆発的な人気を獲得し、二宮和也が映画『硫黄島からの手紙』でハリウッド作品に出演。相葉雅紀がバラエティの顔になり、大野智が芸術家としての側面を見せ、櫻井翔がジャーナリストとしての顔を持つ――。それぞれが異なるフィールドで活躍することで、嵐というグループの“間口”は驚くほど広くなった。どこからでも入れる入口が複数あるからこそ、国民的グループになれる。そのモデルを、M!LKは今まさになぞろうとしている。もちろん、まだM!LKと嵐の間には大きな距離がある。だが、その道筋の形は、似ていると言っていいだろう。

 今後は、M!LKのメンバー出演作品と主題歌の関係にも期待したい。かつて嵐は、「We can make it!」(2007年)は松本主演『バンビ~ノ!』(日本テレビ系)、「Happiness」(2007年)は二宮和也と櫻井翔が主演した『山田太郎ものがたり』(TBS系)、「truth」(2008年)は大野智主演の『魔王』(TBS系)、「マイガール」(2009年)は相葉雅紀の連続ドラマ初主演作『マイガール』(テレビ朝日系)と、ほとんど途切れることなくメンバー主演作のドラマ主題歌を嵐が担当した。音楽で時代を掴み、ドラマで顔を広め、個人の活躍がグループに還元される。この循環が機能し始めた時、グループは一段階上のステージに進む。M!LKに今起きていることは、その循環が正しく回り始めたサインだ。

 メンバー3人が異なる作品で、異なる役を演じる秋。これは快進撃という言葉にとどまらず、長い時間をかけて積み上げてきたものがいよいよ形になり始めた瞬間でもある。M!LKは今、国民的グループへの扉を自分たちの手で開けようとしているのかもしれない。

※1:https://www.tbs.co.jp/koitoki_tbs/about/

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