斉藤和義が鳴らすロックの衝動 “戦争の対義語としての日常”が示す平和、『日常Days』で挑む新たな音像

斉藤和義、『日常Days』で挑む新たな音像

バンドセッションの熱量とツアーへの新たな試み

ーーアルバム冒頭を飾る「黒猫のタンバリン」。ロカビリー調のこのナンバーでもストリングスが大活躍し、ヒリヒリした疾走感を彩っています。

斉藤:これは12月公開の映画『薔薇の鎖』のテーマ曲。丸山隆平さんと沢尻エリカさんのW主演作で。すごく簡単に言うと、記憶を失った若い男女がひたすら右往左往させられるお話なんです。事故で気を失って、目覚めたらなぜか手錠で繋がれている。自分がどこの誰かも、相手がどんな素性なのかもまったくわからない。しかも手元に転がってたアタッシュケースには大量の現金と麻薬が詰め込まれている。行く先々でトラブルに巻き込まれるという。まあ、ストーリー展開そのものはかなり荒唐無稽なんだけど。

ーー主題歌を書くにあたって、何か取っ掛かりはありましたか?

斉藤:何だろう……物語全体にヒリヒリした切迫感があったんですよね。疑心暗鬼に陥った2人が、それでもグチャグチャに混乱した状況から抜け出そうとする必死の逃避行みたいな。脚本と絵コンテをいただいたとき、そこが一番面白く感じたんです。映画の細かい内容より、むしろそっちの直感が大きかったと思う。あと聴き返すとやっぱり、最近の自分のモードが自然と滲んでる感じはあるかな。

斉藤和義 - 黒猫のタンバリン【Recording Movie】

ーー冒頭から〈黒猫が俺に言った/この船は泥船だ〉という歌い出しに心掴まれました。どうしようもない現実に見切りをつけ、新しい世界へと駆け出したい。そんな思いが伝わってくるようで。

斉藤:うん。振り返ってみると2曲目の「轍」、3曲目の「鏡よ鏡」もそういう内容なんだよな。冒頭の3つはほぼ、言ってることは同じだって気が自分でもしますね。

ーー従来のアルバムには、すべての楽器を斉藤さんが演奏する“ひとり多重録音”の楽曲も多く含まれていました。今回『日常Days』のレコーディングはどのように進めたのでしょう?

斉藤:けっこうバラバラでしたかね。実は今回、手間のかかるひとり多重録音はなるべく避けたくて。できれば自分のスタジオによく知ったツアーメンバーに来てもらって、リハを重ねながら楽曲を仕上げたかったんです。でも、皆さん超忙しくて2日しかスケジュールが取れなかった(笑)。結局セッション形式で広げられたのは「ウグイス」「Sweet Little Sixty」。あとはゆったりした三拍子の「ワルツ」ぐらいでした。でもやっぱりよかったですよ。バンドで集まってバーンと音を出すと、その曲の見取り図が一気に見えるというか。ひとりで細かく作業してるとなかなかわからない正解に、文字どおり一瞬で辿り着けたりしますから。

ーーこの3曲に参加されたのはギターの真壁陽平さんと、ベースの隅倉弘至さん。昨年のダブルセットリストツアーを一緒に全国を回った盟友ですね。ドラムに関しては「Sweet Little Sixty」が同じツアーメンバーの河村吉宏さん。「ワルツ」は斉藤さん自身。あとは「ウグイス」で樋口素之助さんの初参加が目を引きます。樋口さんはどういう経緯で演奏されたんですか?

斉藤:樋口くんは何年か前に、たまたま飲み屋さんで隣り合わせになって。気が合って友だちになってたんです。今、37歳くらいなのかな? 何でも20代のとき一念発起して、ロンドンまでドラム修行に行ったんだって。英語もろくに話せない状況で、安宿を泊まり歩きながらいろんなセッションに参加して。そうやって少しずつ人脈を広げて、ドラマーとして腕を磨いたと。

ーーすごいバイタリティですね。

斉藤:でしょ(笑)。すごく面白い、いいヤツなんですよ。歳は離れてるけど、音楽の趣味も重なってますし。機会があったら一緒にやりたいねって話してたんです。で、今回、マカピー(真壁)とスミちゃん(隅倉)に来てもらった日、ドラムだけどうしてもスケジュールが取れなくて。「あ、そういえば!」と思い出して、急きょセッションに参加してもらいました。すげー楽しかったですよ。最初はちょっと緊張気味だったけど、それこそチャーリー・ワッツとかスティーヴ・ジョーダンとか、ロックンロールなドラマーが好きな人なので。「ウグイス」の曲調にはぴったりだった。俺自身、フレッシュな気持ちで演奏できました。

ーーのびやかなリズムから解放感が伝わってきました。セッションスタイル以外の楽曲はいかがですか?

斉藤:「轍」「どん底」あたりは、完全に自分ひとりで演奏しました。「黒猫のタンバリン」「鏡よ鏡」は主題歌ということもあってプライベートスタジオではなく、事前に作ったデモ音源をもとに、メンバーとレコーディングスタジオに入って録ってますね。「透明の地図」「泣くなグローリームーン」「HAPPY」という既発シングルも同じパターンかな。逆に「乙」という弾き語り曲は、自宅の部屋にいるときふっと浮かびました。ボーカルも含めてそのまま家で録音して。そこにあとから弦楽四重奏を乗せてもらってます。

斉藤和義 - 轍【Music Video】

ーー淡々とした時間の流れがそのまま音になったような、穏やかな“日常”の側面が出た名曲ですね。

斉藤:今回のアルバムで、これが一番最後にできた曲だったかな。夜中にギターを弾いていて、ふと窓の外を見たらぼんやり明るくなってて。いろいろ面倒なことはあっても、結局こういう日々が人生の“オツ”なところなんだろうなと。そのとき抱いた感情がそのまま曲になってますね。サビだけは昔からあったんだけど、あとの詞曲は5分、10分ですっと浮かんできた。うん、そうだ、思い出しました。この曲が浮かんだときに、アルバム全体のタイトルを『日常Days』にしようと決めたんです。ある意味で自分の生活実感が、一番素直に出た曲じゃないかなと。

ーー9月18日からは全国28都市を回る『KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2026 “日常Days”』がスタートします。最後にひと言だけ、抱負を教えていただけますか。

斉藤:このツアーは全公演、美央さんをリーダーとする弦楽四重奏が入るんですね。『日常Days』収録曲はもちろん、これまで弦アレンジとは無縁だった候補曲も考えてまして。同じ空間で共演することで、バンドとストリングスのアンサンブルがどう変化していくか。そこは新しい試みなので今から刺激をもらっていますし、楽しみに待っていてもらえると嬉しいですね。

■リリース情報
『日常Days』
9月9日(水)リリース

詳細:https://www.jvcmusic.co.jp/Linkall/kazuyoshisaito/nichijoudays.html
ビクターオンラインストア:https://victor-store.jp/artist/6971

【通常盤(CD)】
価格:3,630円(税込)
VICL-67060

【初回限定盤(2CD+書籍)】
価格:6,600円(税込)
VIZL-3060
書籍:「和とロック」写真集+全曲弾き語り用コード譜(全36ページ予定)

【VICTOR ONLINE STORE限定商品】
カセットテープ(数量限定) 
価格:3,190円(税込)
NTS-706

アナログ盤(9月30日発売/数量限定)
LP(重量盤)
価格:4,400円(税込)
NJS-868

VICTOR ONLINE STORE限定バンドル(数量限定)
初回限定盤+GOODS
2CD+書籍+リライブ✕Rock'n Roll Can Never DieコラボリカバリーTシャツ
価格:16,280円(税込)

リライブ✕Rock'n Roll Can Never DieコラボリカバリーTシャツ
サイズ:M/L/LL
M:着丈68cm・身幅50cm・肩幅46cm
L:着丈71cm・身幅53cm・肩幅48cm
LL:着丈74cm・身幅56cm・肩幅50cm
素材:ポリエステル100%
カラー:Black

<収録曲>
全11曲
01 黒猫のタンバリン
02 轍 | ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」CMソング
03 鏡よ鏡 | テレビ朝日系木曜ドラマ『おコメの女-国税局資料調査課・雑国室-』主題歌
04 ワルツ
05 どん底
06 透明の地図(Album ver.) | リクルート『SUUMO』WEB CMソングアルバムバージョン
07 乙
08 ウグイス
09 泣くなグローリームーン | テレビ朝日系木曜ドラマ『ザ・トラベルナース』主題歌
10 HAPPY | 読売テレビ・日本テレビ系全国ネット『サタデーLIVE ニュース ジグザグ』テーマソング
11 Sweet Little Sixty

初回限定盤
1 . 鏡よ鏡(Acoustic ver.)
2 . ワルツ(Acoustic ver.)
3 . 透明の地図(Album Acoustic ver.)

<カセットテープ>
SIDE A
01 黒猫のタンバリン
02 轍
03 鏡よ鏡
04 ワルツ
05 どん底
06 透明の地図(Album ver.)
07 乙

SIDE B
01 ウグイス
02 泣くなグローリームーン 
03 HAPPY 
04 Sweet Little Sixty
05 鏡よ鏡(Instrumental)
06 黒猫のタンバリン(Instrumental)
07 乙(Instrumental)

<アナログ盤>
SIDE A
01 黒猫のタンバリン
02 轍
03 鏡よ鏡
04 ワルツ
05 どん底

SIDE B
01 透明の地図(Album ver.)
02 乙
03 ウグイス
04 泣くなグローリームーン
05 HAPPY
06 Sweet Little Sixty

■ツアー情報
『KAZUYOSHI SAITO LIVE TOUR 2026 “日常Days”』

2026年9月18日(金)【千葉県(市川市)】市川市文化会館 大ホール
開場17:30 / 開演18:30

2026年9月19日(土)【千葉県(市川市)】市川市文化会館 大ホール
開場16:00 / 開演17:00

2026年9月23日(水・祝)【新潟県(新潟市)】新潟テルサ
開場17:00 / 開演17:30

2026年9月25日(金)【長野県(長野市)】長野市芸術館 メインホール
開場18:00 / 開演18:30

2026年9月27日(日)【石川県(金沢市)】本多の森北電ホール
開場17:00 / 開演17:30

2026年10月1日(木)【北海道(札幌市)】札幌市教育文化会館 大ホール
開場18:00 / 開演18:30

2026年10月2日(金)【北海道(帯広市)】帯広市民文化ホール 大ホール
開場18:00 / 開演18:30

2026年10月4日(日)【北海道(旭川市)】旭川市民文化会館 大ホール
開場17:00 / 開演17:30

2026年10月11日(日)【栃木県(宇都宮市)】栃木県総合文化センター メインホール
開場17:00 / 開演17:30

2026年10月12日(月・祝)【宮城県(仙台市)】仙台サンプラザホール
開場16:45 / 開演17:30

2026年10月17日(土)【岩手県(盛岡市)】盛岡市民文化ホール 大ホール
開場16:45 / 開演17:30

2026年10月18日(日)【山形県(山形市)】やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)大ホール
開場16:45 / 開演17:30

2026年10月25日(日)【山梨県(甲府市)】YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)大ホール
開場16:00 / 開演17:00

2026年10月29日(木)【静岡県(静岡市)】静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール
開場18:00 / 開演18:30

2026年10月31日(土)【岐阜県(多治見市)】バロー文化ホール(多治見市文化会館)大ホール
開場16:15 / 開演17:00

2026年11月1日(日)【愛知県(稲沢市)】名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)大ホール
開場16:30 / 開演17:00

2026年11月5日(木)【兵庫県(神戸市)】神戸国際会館こくさいホール
開場17:30 / 開演18:30

2026年11月6日(金)【大阪府(大阪市)】フェスティバルホール
開場17:00 / 開演18:00

2026年11月8日(日)【奈良県(奈良市)】なら100年会館 大ホール
開場17:00 / 開演17:30

2026年11月14日(土)【神奈川県(横須賀市)】よこすか芸術劇場 大劇場
開場16:15 / 開演17:00

2026年11月15日(日)【埼玉県(さいたま市)】大宮ソニックシティ 大ホール
開場16:00 / 開演17:00

2026年11月21日(土)【広島県(広島市)】広島文化学園HBGホール
開場16:45 / 開演17:30

2026年11月23日(月・祝)【香川県(観音寺市)】ハイスタッフホール(観音寺市民会館)大ホール
開場17:00 / 開演17:30

2026年11月24日(火)【岡山県(倉敷市)】倉敷市民会館
開場17:45 / 開演18:30

2026年11月28日(土)【福岡県(福岡市)】福岡サンパレス ホテル&ホール
開場16:45 / 開演17:30

2026年11月29日(日)【福岡県(福岡市)】福岡サンパレス ホテル&ホール
開場16:15 / 開演17:00

2026年12月5日(土)【東京都(江東区)】SGC HALL ARIAKE
開場16:30 / 開演17:30

2026年12月6日(日)【東京都(江東区)】SGC HALL ARIAKE
開場16:00 / 開演17:00

2026年12月18日(金)【大阪府(堺市)】フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)大ホール
開場17:30 / 開演18:30

2026年12月19日(土)【大阪府(堺市)】フェニーチェ堺(堺市民芸術文化ホール)大ホール
開場16:00 / 開演17:00

2026年12月21日(月)【京都府(京都市)】ロームシアター京都 メインホール
開場17:00 / 開演18:00

2026年12月22日(火)【愛知県(名古屋市)】Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
開場17:30 / 開演18:30

<チケット情報>
指定席:8,800円(税込)
着席指定席:8,800円(税込)
注釈付指定席:8,800円(税込)
立見:8,250円(税込)
立ち位置指定:8,250円(税込)

※3歳未満入場不可。3歳以上から1人1枚ずつチケットが必要。
※指定席以外の席種の有無は会館によって異なる。
※着席指定席は危険防止のため、立ち上がっての鑑賞不可。
※注釈付指定席は出演者、及びステージの一部が見えづらい場合あり。

斉藤和義 Special Site:https://www.jvcmusic.co.jp/ks/
ツアー特設サイト:https://tour.kazuyoshi-saito.com/2026/

■関連リンク
斉藤和義 オフィシャルサイト:https://www.kazuyoshi-saito.com/
レーベルサイト:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A013689.html
YouTube:https://www.youtube.com/@saitokazuyohshi
X:https://x.com/saitokazuyoshi
Instagram:https://www.instagram.com/kazuyoshisaito_official/
配信リンクまとめ:https://jvcmusic.lnk.to/kazuyoshi_saito

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