TENBLANK、フィクションを超えて響き続ける音楽の力 ドラマ配信から1年以上、今もなお作品を届けられる理由とは

 TENBLANKがアルバム『Glass Heart(スーパー・デラックス・エディション)』をリリースした。本稿では、昨年7月に配信された『グラスハート』(Netflix)をきっかけにデビューし、今もなお熱い支持を集めているTENBLANKの歩みを振り返る。

野田洋次郎ら豪華アーティストが楽曲を手がけ、ONE OK ROCKのツアーにも出演

 若木未生のライトノベルを原作に実写化された『グラスハート』は、佐藤健、宮﨑優、町田啓太、志尊淳らをメインキャストとしたバンドドラマだ。TENBLANKは佐藤ら4人による劇中バンドであり、『グラスハート』なしにTENBLANKを語ることはできない。

『グラスハート』予告編 - Netflix

 ドラマの配信後、TENBLANKは『グラスハート』というフィクションの世界に留まらず、我々が生きるこの現実世界でも多彩な活躍を見せた。同年8月1日にリリースされたアルバム『Glass Heart』には、劇中で披露されたTENBLANKの楽曲全10曲を収録。野田洋次郎(RADWIMPS)、Taka(ONE OK ROCK)、川上洋平([Alexandros])、太志(Aqua Timez)、清 竜人、Yaffleなど、錚々たるアーティストたちが参加した同作は、同年8月6日付のSpotify「Daily Viral Songs(Japan)」(※1)で1位を記録するなど、世間からも高い注目を集めた。

 そんな中、TENBLANKは同年9月13日に開催されたONE OK ROCKのツアー『ONE OK ROCK DETOX JAPAN TOUR 2025』大阪・ヤンマースタジアム長居公演にサプライズ出演。これは同ツアーの神奈川・日産スタジアム公演で足を負傷したTaka(Vo)を助けるべく、盟友である佐藤を中心に駆けつけたもの。こうしたフレキシブルな活動ぶりもTENBLANKが一度きりの劇中バンドではなく、現在に至るまで注目を受け続けている理由と言えるだろう。

ワンオクライブにTENBLANKがお呼ばれしました。

菅田将暉(真崎桐哉役)とのコラボ曲やアジアツアーなど精力的に活動

 同年10月には配信シングルとして「Vibrato (Live Ver.)」をリリース。劇中でTENBLANKと敵対するユニット・OVER CHROMEとのコラボ名義でリリースされた同曲には、OVER CHROMEのメンバーとして菅田将暉が参加。ロックバンドのダイナミズムを内包しつつも哀愁の漂うバラードである同曲では、佐藤演じる藤谷直季と、菅田演じる真崎桐哉のボーカルが絡み合うメロディが印象的だ。『グラスハート』でも重要な場面で演奏される楽曲だからこそ、説得力のある1曲に仕上がっている。

佐藤健 × 菅田将暉 - 2人のカリスマが歌う「Vibrato」 | グラスハート | Netflix Japan

 そして同年10月11日にはTENBLANKとして初となるイベント『TENBLANK from "Glass Heart" FAN MEETING feat. Takeru Satoh. Yu Miyazaki. Keita Machida. Jun Shison』を神奈川・ぴあアリーナMMにて開催。バンドメンバーが登場した同イベントでは「MATRIX」「旋律と結晶」といった代表曲を披露した。さらに同年11月には『TENBLANK from "Glass Heart" FAN MEETING - ASIA TOUR feat. Takeru Satoh』と題した佐藤ソロによるアジアツアーも開催。台北、ソウル、香港、バンコクの4都市を巡り、日本国内だけでなく世界でもその支持の厚さを証明してみせた。11月19日にはアルバム『Glass Heart』のアナログレコード盤もリリース。ドラマの配信開始から3カ月以上が経過してもなお高まり続けるTENBLANKの熱を象徴していた。

TENBLANK from “Glass Heart” FAN MEETING Blu-ray

 年が明けてもTENBLANKの勢いは衰え知らず。先述のファンミーティングイベントの模様を網羅した映像作品のリリース及び再販や、佐藤のソロアジアツアーに密着した『TAKERU SATOH - Tour Log: Asia -』の発売、そして冒頭で記したアルバム『Glass Heart(スーパー・デラックス・エディション)』のリリースと、TENBLANKは1年にわたり、精力的な活動を重ねてきた。

「TAKERU SATOH - Tour Log: Asia -」Digest

 TENBLANKは何故、一過性の話題に終わることなく、ドラマ配信から1年以上が経過した今も、作品を届け続けることができるのか。

 それはTENBLANKというバンドをリアリティを持って世界に届けたからだろう。第一線で活躍するアーティストによる提供楽曲は、作品全体のクオリティを大きく底上げしただけでなく、TENBLANKというバンドの存在感をより確かなものにした。ドラマが配信された翌日にアルバムをリリースすることで、ファンは劇中で躍進するTENBLANKの姿とともに音楽を楽しむことができた。自身のワンマンイベントよりも前に縁深い存在であるONE OK ROCKのライブに出演したことで、ドラマのファン以外の層にもTENBLANKの存在を届けたのも斬新だった。そして、ファンからの要望に応える形で人気曲を配信リリースするサプライズも行った。その後も絶やすことなくリリースを重ねることで、最初はドラマの世界の住人であったTENBLANKは、現実の音楽シーンにおいても一つのバンドとして独自の地位を築いている。TENBLANKとして積み重ねてきたたくさんのトライが、彼らが今なお作品を我々に届け続けられる理由なのかもしれない。

※1:https://realsound.jp/2025/08/post-2119601.html

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