SUPER BEAVER、藤井 風、米津玄師……日常を特別に変える、本人出演の“飲料”のCMソング

 飲料のCMには、飲んだときに感じる爽快感や安らぎ、前向きな気持ちを思わせる音楽が添えられることが多い。なかでもアーティスト本人が出演するCMでは、楽曲とアーティスト自身の持つ世界観が商品と重なり合い、印象的なシーンを作り上げてきた。

 8月1日より公開中の「三ツ矢サイダー」の新TVCM「青空を飲んでゆけ・夏の喝采」編に出演しているのが、SUPER BEAVERだ。彼らの演奏シーンとともに響きわたるのは、「アプローズ」。三ツ矢サイダーの世界観をイメージして書き下ろされた楽曲である。

 軽やかなリズムと清涼感のあるコーラスから始まる「アプローズ」は、まさに炭酸飲料を口にしたときのような爽快さを味わえる。サビの〈最大〉や〈拍手喝采だ〉など、CMを踏まえれば「サイダー」にも聞こえるような遊び心も忍ばせながら、楽曲で歌われているのは、懸命に日々を生きる人々へのエールだ。間違いや後悔も含めて〈最短距離だよ この道のりが〉と肯定する歌詞は、SUPER BEAVERらしいあたたかさを感じさせる。炭酸が気分をスカッとさせるように、聴く人の心を晴れやかにしてくれる楽曲だ。

三ツ矢サイダー CM 「青空を飲んでゆけ・夏の喝采」編 15秒 生田絵梨花/SUPER BEAVER

 ほかにも、アーティスト本人が出演した飲料のCMソングといえば、藤井 風の「真っ白」が挙げられる。同曲は「い・ろ・は・す」のCMソングとして書き下ろされ、藤井自身もCMに出演。豊かな自然のなかで思うがままに身体を動かす彼の姿と、穏やかな曲調の「真っ白」が重なることで、心地よい風に包まれるような感覚を生み出していた。

 ボサノヴァ風のイントロから、藤井の伸びやかな歌声が広がっていく「真っ白」。〈先に進まなければゴールできぬゲームなのよ〉という言葉には新たな一歩を踏み出そうとする意志も感じられ、滞ったものを水がすっと流していくように、聴く人の心を軽くしてくれる。前向きなメッセージが詰まった「真っ白」は、「きっとあしたも、いい感じ」というブランドメッセージとも見事に響き合っていた。

藤井 風 - 真っ白 [Acapella - Official Audio]

 米津玄師の「LADY」は、「ジョージア」のCMソングとして書き下ろされた楽曲だ。さまざまな季節のバージョンが制作されたCMでは、同曲を歌う米津と、日々を生きる人々の姿が交差するように描かれていた。

 米津がリリース時に「平坦な生活からほんの少しだけフケられたらいいなという気持ちを音楽にしました」(※1)とコメントしていたように、「LADY」に刻まれているのは、何気ない日常への視線である。曲中で印象的なピアノのリフは、淡々と繰り返される毎日を表すかのよう。気怠さを感じさせるサウンドのなかで、曲は〈例えば僕ら二人 煌めく映画のように/出会いなおせたらどうしたい〉と、いつもの景色を見つめ直すような歌詞で始まる。そして、サビでは〈書き散らしていく僕らのストーリーライン〉と帰結。大きな出来事がなくとも、大切な人と過ごす一日一日はかけがえのない物語なのである。日常をドラマチックに変えてくれる楽曲だ。なお、翌年には「ジョージア」CMに「毎日」を書き下ろしている。

米津玄師 Kenshi Yonezu - LADY

 飲料も音楽も、日常のなかでふと触れるものという点では似ているのかもしれない。喉を潤す一杯や耳にした一曲が、その瞬間の気分を変えてくれる。飲料のCMソングには、日常の一場面を少しだけ特別なものにする力があるのだろう。

※1:https://realsound.jp/2023/03/post-1281298.html

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