NOMELON NOLEMON/Aooo ツミキが明かすサウンドメイクの現在地 Wタイアップの裏側、主題歌の全貌に迫る

ツミキが明かすサウンドメイクの現在地

 今夏放送中のTVアニメ『グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~』(TOKYO MXほか)にて、オープニングテーマ「ユラリユレル」をNOMELON NOLEMON、エンディングテーマ「DAYS!」をAoooが担当。その両楽曲の作詞作曲を手がけたのが、コンポーザー/サウンドプロデューサーのツミキだ。

 同じアニメ作品に寄り添いながらも、それぞれが持つ個性を最大限に引き出したこの2曲は、一見対照的でありながら、どちらも作品に通底するテーマに深く結びついている。本インタビューでは、サーカスと音楽の親和性、ツミキが所属する2組の表現の違い、そして現在のツミキが見据える創作の現在地について話を聞いた。(荻原梓)

「最初と最後で、曲の聞こえ方がガラッと変わるような体験を」

ーーまず、オープニングとエンディングの両方をツミキさんが書き下ろすことになった経緯と、最初にその話を聞いたときの率直な心境を教えてください。

ツミキ:レーベルの方から依頼をいただいたのですが、最初から前のめりに「ぜひやりたい」という気持ちがありました。僕個人としても何度かアニメタイアップをやらせていただいた中で、作品に寄り添いつつ、自分たちが今までやってきたことや今やりたいことを表現するという、ある種の“制約”の中で自分たちの最大限を発揮するゲーム性みたいな面白さを感じていたんです。また、そういう機会をいただけたこと自体すごくありがたいですし、それがノーメロとAoooの両方で同時にやらせてもらえるのは、一種の試作的な試みでもあるなと。自分としてもそこに乗っかって「面白いことを仕掛けたいな」という気持ちになり、ワクワクが膨らんだのが最初の入り口です。

ーーアニメ『グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~』はサーカスがモチーフの作品ですが、ストーリーやビジュアルに触れてみて、どんなインスピレーションを受けましたか?

ツミキ:サーカスと聞いて真っ先に思い浮かんだのが、昔おばあちゃんと一緒に観に行った『木下大サーカス』の思い出でした。小学生くらいの小さい頃だったんですけど、今でも鮮烈に覚えているんですよ。ものすごいインパクトというか、「なんじゃこりゃ」の結晶のような空間で。あの異世界感の中で人が飛んでいる光景は、普通に生きていたらなかなか見られないですし、強烈な衝撃を受けました。ただ、あの華やかな瞬間芸術の裏には、凄まじい努力や技術向上といったプロセスがある。そこがすごく音楽と近しいなと思ったんです。

TVアニメ「グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~」メインPV

ーー音楽との共通点を見出されたわけですね。

ツミキ:今回のシナリオやキャラクター設定の資料を読み込んでいく中で、ノーメロもAoooも一個人のアーティストではなく、複数人が集まってできた集団であるという点も重なりました。みんなで高みを目指して頑張る姿や、一瞬の芸術のためにディスカッションを重ねるというところに、バンドやユニットらしさを強く感じたんです。

ーーこのアニメは昭和30年代頃の高度経済成長期の日本という時代設定も特徴的ですが、その点は意識しましたか?

ツミキ:かなり意識しましたね。特にオープニングテーマの「ユラリユレル」は、音階を日本的·民謡的な“ヨナ抜き音階”を取り入れています。あとは、歌詞にカタカナをできる限り使わないとか。最近のポップスとは違った古風な印象や味に繋がればいいなと思って、歌詞の中に〈いろはにほへと〉といった言葉を混ぜたりして、昔っぽい雰囲気が出るような表現を意識的に落とし込んでいきました。

ーー今回、オープニングとエンディングという2つの大役を同時に務められたわけですが、これらは“対”になるように意識して作られたのでしょうか? それともまったく独立したものですか?

ツミキ:正直、そこまで関連性を持たせようと思って制作したわけではなかったです。どちらかと言えば「ノーメロとしての最大限」と「Aoooとしての最大限」という、それぞれのプロジェクトを極める考え方で作ったので、制作自体も完全に同時進行でした。ただ、結果的に同じアニメのテーマを扱っているので、歌詞の内容にちょっと近しい部分が自然と生まれたりしましたね。たとえば“宙”という漢字ひとつとっても、Aoooの曲では「ちゅう」と読ませ、ノーメロの曲では「そら」と読ませる、といった書き分けができていて。それは自分で書いた後に気づいた面白さでした。そういう、結果的に関連している部分が色々あると思うので、よかったらリスナーの皆さんに(2曲の近い部分を)見つけてもらえたらと思います。

ーーそもそもツミキさんの中で、オープニングテーマとエンディングテーマの役割の違いについてはどう捉えていますか? 一般的には、オープニングはこれからの展開を期待させるもの、エンディングは視聴者へ余韻を残すもの、といった役割が語られがちですが。

ツミキ:僕は、楽曲を切り取って考えたときには、どちらもそこまで大きな差はないと個人的には思っているんです。「アニメ作品に通底する世界観の中で、新しい音楽が聴ける場所」という意味で立ち位置は同じかなと。ただ共通して意識したのは、アニメを全話すべて見終わったあとに、改めて思い出してもらえるような曲であってほしいということです。

ーー全話を通して聴くことで、見え方が変わるような?

ツミキ:そうです。1話の時点ではわからなかった歌詞のニュアンスが、最終話を見終わったときには「そういう意味だったのか!」と腑に落ちるような。そういうアニメならではの歌詞のギミックを取り入れたいという意識は、オープニング·エンディングどちらにも共通して持っていました。最初と最後で、曲の聞こえ方がガラッと変わるような体験を楽しんでもらえたらなと。

ーー「オープニングだからノーメロはこう」「エンディングだからAoooはこう」と枠にはめるのではなく。

ツミキ:そうですね。ものすごく意識したわけではなく、とにかく両方いい曲を書こうと思っていました。

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